駅のエスカレーターは二列で立ったまま乗った方が絶対に速い理由を説明してみる







2015年7月21日(火)~8月31日(月)まで全国の鉄道会社でキャンペーンがあった
エスカレーター「みんなで手すりにつかまろう」キャンペーン。
しかし全く普及せずに終わりました。
未だに全国の鉄道各駅のエスカレーターの片側は歩く、もしくは駆け上がる人のために空けた状態が続いています。

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キャンペーンタイトルがイマイチだったような気がします。
「片側空けるのを撲滅しよう!みんなで並べば速くなる!」というコピーならもう少し響いたのではないでしょうか。

実は片側を空けて速くのぼる人を優先するより二列で立って並んだ方が全体としては圧倒的に速いのですがほとんどの方はそれに気づいておりません。
私自身もつい最近まで片側は空けるものだと思っておりましたが先日駅で待ち時間があり、ぼ~っとエスカレーターを眺めていて間違っていることに気付きました。

今から理由を説明します。

エスカレーターが人を運搬する能力は1列だとだいたい1分間で約40人、2列で倍の80人運べる計算になります。
立ち止まって乗る方はたいてい1段空けて次に乗るのでこのぐらいになります。
一段ずつ詰めればもう少し運搬能力は上がりますが荷物やリュックを持っていたら一段空けざるを得ません。

ここからが肝心な点ですが片側を空けているとこれが一列の運搬能力である40人+αになってしまいます。
いくら駆け上っても立って並んでいる人と比べて速度は約1.5倍ほど、前の人との間隔は5段以上、立って並んだ時の3倍ぐらい開くので約0.3倍、掛け算すると約0.45倍。
早歩きの列は 40人(1分当たりの運搬能力)☓1.5(速度の差)☓0.3(1段ずつ並んでいる時との差)=18人。
80人の運搬能力には到底及ばずおそらく60人ぐらいが関の山。
そうなるとエスカレーター乗り口付近で渋滞が起きて乗るまでに並ばなくてはなりません。

文字で書いてもなかなかわかりにくいので写真で説明します。
片側を開けた状態だとムダ・ムラが起きます。

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これらの空間が空いた状態がとってもムダ・ムラなわけで運搬能力を著しく落としてます。
ここを埋めてやれば乗り口の渋滞も大幅に緩和されます。
特に東京などの大都会は効果がテキメンに現れることでしょう。

また下り方向で急ぎ、足を踏み外して怪我をする人も跡を絶ちません。
じっと立って乗っていればこんな事故も起きません。
これから高齢者が多くなる日本では切実な問題。

そもそもエスカレーターは立ち止まって乗る移動手段。電鉄会社によってはしっかりと「歩いたり走ったりせず立ち止まって乗りましょう」と表記しているところもあります。これを実現するには多くの方がこの知識を共有しないといけませんので共感いただけた場合にはシェアをお願いできますでしょうか。

関東や東海地区やでは左に立って乗り右側を空け、関西では逆に右側に立って乗り左側を空けます。
同じ日本なのに東と西で文化が違うのは不思議。
一説では関西は大阪万博開催の際、海外のルールに則ったからというもの。

なにはともあれ、鉄道各社のみなさま、本気で片側を空けることを撲滅する運動をしてみてはいかがでしょうか。
この夏の反省を活かして・・・。

あ、そうそう、歩く歩道「ウォーキングロード」はみんなで歩きましょう。
これは歩いても安全ですから。
よく止まっている方がいますがこちらはみんなで歩かないと渋滞します(^_^;)

ほな!

4 件のコメント

  • 僕はエスカレーターを歩いたほうが止まっているよりも半分ほどの時間で上の階に到着する自信があります。
    つまりそういうことです。

    • 全体最適化という言葉はご存知ですか?ちゃんと文章読みましょう。あなたみたいな人が多いから改善されないのですね。

  • 言ってることを理解できますけど、但し、これは全体最善化のやり方ですよね、しかし、エレベーターの片方を開くというのは少数の人たちは早くしたいけど、そうじゃない人達はもっとゆっくりしたいかもしれません。二列になると、もっと早くしたい人達はできなくなります。まあ、安全面は二列の方がいいけどね〜〜

  • 全く同感。
    早く歩きたいなら階段を使えば良い。
    エスカレーターだけで階段が無い場所であれば、そこには歩行スペースはありません。
    喫煙所ではない場所でタバコを吸う行為に近い。エスカレーター脇を歩きたい人をなぜ保護、配慮しなければいけないのか分からない。