永年眠っていた祖父の小説を書き起こしてます







私が小学生の頃に亡くなった母方の祖父。
母の話では神童と言われた天才だったそう。
裕福な家庭に育ったそうですが戦争で全てをなくし夢である小説家を諦め最後は商社マンとして働いていたとのこと。
母が言うには私が何かした動作は祖父の生き写しのようだと。
ただ残念ながら頭脳は似なかったらしく私の弟に引き継がれました(笑)

先般私の荷物を整理していたらなぜかその祖父が書いた小説が出てきました。
そう言えば母から預かったような記憶が。

タイトルは「時政その頃」。
時代小説で北条時政が主人公。

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表紙にはNYKLINE 1969と書いてあります。
中を見たら日本郵船株式会社のカレンダー手帳。
それに書き綴っており途中で足りなくなったらしく原稿用紙を足してありました。
私が生まれたのが1972年なのでその前に書かれた模様。

原稿は旧仮名使いや旧字体も混じり、また達筆で読めない所もありますが、
ひとまず全てテキスト形式に書き起こしました。
わからないところは●で埋めて。

総文字数52,080字。
中編小説といったところでしょうか。

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冒頭だけ紹介します。

時政その頃

一.

「神輿振りじゃ、神輿振りじゃ!」
「 神輿振りじゃぞっ!」
口々に喚きながら、ばたばたと地下人が駆け抜けた。
「山門の大衆が、また暴れだしたぞ!」
という叫びも混じっている。
どの顔にも緊迫の色と恐怖の表情が浮き立って見えた。
五月晴れの明るい日の下で、路も、土塀も、その中に静まる木々の緑も、家の甍も、そして路行く人も、それまではもの憂いぐらいにひっそりと長閑であった都の一角が、この叫びを境にして、降って湧いたような興奮と混乱に包まれていった。

・・・続く。

昔なら本を出版するのはたいへんですが今のご時世は電子書籍なら簡単にコストもかからず出版できるので近いうちにKidleで発表したいと考えております。

ただ読めない箇所が結構あるのでそれを校正するのに時間がかかりそう。
どなたか昔の漢字や字体に詳しく前後の文脈から予測してくれる方いないかなぁ。
Kindleでの出版についても勉強しないとな。

目標は今年度中。
ベストセラーを目指すつもりは毛頭なく祖父の意思を汲んで何人かにでも読んでいただけれは天国から喜んでくれるかなと。

Kidle版出版した際には応援していただければ嬉しく思います!

ほな!