書評 USJを劇的に変えた、たった1つの考え方







USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)をV字回復させた立役者の森岡毅氏。どん底だったUSJを奇抜なアイデアとマーケティング理論を駆使し過去最高の入場者数を記録するまでに回復させました。前作「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向き走ったのか」を読んだ時には森岡氏の仕事の取り組み方、マーケティングの方法を知り感動しました。一昨年家族でUSJを訪れた時は読んでいませんでしたので次回USJに行った時は違った視点で楽しめます。

今回の本はマーケティングのいろはがとてもわかりやすく書かれております。モノ売ったりサービス提供することに携わっている方には必読の一冊。ただし、編集がイマイチなので内容の良さが相当落ちてしまっています。個人的に最初から罫線の引いてある本は最低だと思っています。重要かどうかは読み手が決めることであり編集者が決めることではありません。せめて重要だと感じて欲しい項目は太字ぐらいにしてもらわないとスラスラ読めません。書いてある内容は★5つ以上の評価ですが本の出来栄えとして★4つぐらいになっています。何ともこの点は残念。

この本を読んで新たな知識がたくさん入りましたが特に良かった点をいくつか紹介します。

目的、目標、戦略、戦術について

今まで恥ずかしながら目的と目標の明確な違いを分っていませんでした。今回読んでそれがはっきり分かりました。

目的:命題、最上位概念
目標:資源集中投下の具体的な的
戦略:資源配分の選択
戦術:実現するための具体的なプラン

例えば妻と喧嘩して仲直りするときにこのフレームを割り当てると
目的:妻と仲直り
目標:妻
戦略:弱点の甘いものから攻める
戦術:土産に豪華なロールケーキを買う
となります。

他にも事例がいくつか載っておりすごく解かりやすく、スッと頭に入ってきました。マーケティングのフレームワークは目的→WHO→WHAT→HOWの順で考えます。

 

会社ではなく「職能」を選ぶ

著書より抜粋
会社と結婚してはいけません。会社はあなたと結婚することができません。それは永遠の片思いで終わるリスクが高いのです。「職能(スキル)」を選んでそれと結婚することをオススメします。

日本では◯◯会社に入ったし終身雇用制だから安心と思われていましたが、そういう時代はすでに終わりました。東芝、シャープしかりこれからの時代スキルのない人はリストラされた場合行き先がありません。小さな会社に勤めていてもスキルがあればどんなところでも渡り歩くことができます。

冒頭から最後まで有益な情報が満載の一冊。今年読んだ中では内容は上位に入る名著でした。ただし編集がイマイチなのでその点が残念。それを差し引いても読む価値十分ありますので読んでみてはいかがでしょうか。

お値打ちなKindle版はこちらからどうぞ。

前作「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向き走ったのか」も相当オススメ。単行本、Kindle版、文庫本それぞれリンク貼っておきます。

ほな!