書評 LESS IS MORE (本田直之著)







副題は「自由に生きるために幸せについて考えてみた」。「Less is more.」とは「より少ないことは、より豊かなことだ。」というミース・ファン・デル・ローエ(建築家)の言葉。今流行のミニマリストもこの考え方と同じ。この本を通して物質優先の世界から精神優先の世界へ動いていることが明確にわかりました。簡単に言うと大切なものがモノからコトへと移っています。この本を読んで色々刺さることがありました。その一部分を紹介します。

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住環境は自分のライフスタイルを充実させるプラットフォーム

 

北欧はじめ幸福度の高い地域では「衣食住」の中で「衣」と「食」のニーズが低く、「住」が高い。順番でいうならば、「住→旅→食→衣」となっています。著者の本田直之氏が最近注目している地域は福岡県。家賃は東京の半分、街のサイズもちょどよく、食事も美味しい。日本の大都市の中でもっとも海外に近くて、空港は市内の中心部からすぐなど利便性も高くオススメ。

 

自由に生きるための「新しい幸せ」10の条件

 

1.仕事を楽しんでいる
2.いい仲間、いい家族がいる
3.経済的に安定している
4.精神的・肉体的に健康である
5.刺激のある趣味やライフスタイルを持っている
6.時間を自分でコントロールできていると感じている
7.住む場所をしっかり選んでいる
8.いい考え方のクセを持っている
9.将来の見通しが立っている
10.ゴールに向かっている感覚を持つ

→新しい幸せの形は、お金、時間、場所などから自由になるということ。

 

不便がつらいではなく、不便は楽しい

 

便利な時代にあえて不便を求めてみる。不便を選択すればそこに楽しみが生まれます。不便なことを体験することで日々の生活がどんなに便利でありがたいかを実感することは幸せに近く方法のひとつ。

 

一社で働くより「複業」

 

「複業」、つまり「複数の仕事を持つ」ことが大切な時代になっています。一社で働くということは、例えば自分が企業の経営者だとしたら、取引先が一件しかないのと同じ状態。その会社がなくなってしまったら終わりですから、普通はそんな危険極まりないことはしないのですが、なぜかサラリーマンはそれが普通になっています。

メインの仕事の他にサブの仕事を持つ本業を補填する「副業」とは違い、「複業」はリスクヘッジをして様々な制約から自由になれます。昔はなかなか難しいことでしたが今はインターネットの登場によりアイデアさえあれば誰でも「複業」は可能になっています。サラリーマンをしながらインターネットを軸して講演をしたり、コンサルティングをしたり、得意な技術を活かしたりすることが可能な時代に突入しました。サイボウズや東芝、富士通、キヤノン、ブリジストン、デンソー、花王、ロート製薬など副業・複業を認める企業も増えてきています。オンラインショピング事業を展開する株式会社エンファクトリーのように「専業禁止」の企業も出てきています。

 

この他、今現在は異端と思われていても将来スタンダードになるであろう事柄が色々書かれておりました。これらの事実を把握しているか、そうでないかでは5年後、10年後大きな違いが出てきます。サラリーマンの方も自営の方にも働き方を見直すのにオススメの一冊。読むだけでなく実践することも大切なので、少しずつワークシフトしていきます。

ほな!