書評「自分の小さな“箱”から脱出する方法」アービンジャー・インスティチュート著

先日読書家の友人から借りたのがアービンジャー・インスティチュート著「自分の小さな“箱”から脱出する方法」。読書家の方からオススメいただいた本は間違いなく面白いので今回はどんな本だろうかと楽しみにして読みはじめました。結論から言うと今のところ本年度読んだ中でナンバーワン。

 

何事も物事が上手く行かないのは自分自身に原因があるとは言われていますが本当に果たしてそうなのか、そうだとしたらどのようにしたら解決するのか、ずっと疑問を抱いていました。その疑問がこの本を読んだら氷解しました。

この本を読めば、相手が悪いのではなく、やはり自分自身が問題なのだということがわかります。人間関係の悩みの場合、もちろん相手にも問題はありますが、自分自身の行いにも少なからず問題があり、そのことに気づいていないことが往々にしてあります。

多くの組織では「自己欺瞞」という病気が蔓延っており、これを取り除けば素晴らしい組織になります。これを「箱」というキーワードでわかりやすく解説してくれています。あなたを箱の中に追い込むのは「自分への裏切り」に他なりません。

自分への裏切り
1.自分が他の人のためにすべきだと感じたことに背く行動を、自分への裏切りと呼ぶ
2.いったん自分の感情に背くと、周りの世界を、自分への裏切りを正当化する視点から見るようになる。
3.周りの世界を自分を正当化する視点から見るようになると、現実を見る目がゆがめられる。
4.したがって、人は自分の感情に背いたときに、箱に入る。
5.ときが経つにつれ、いくつかの箱を自分の性格と見なすようになり、それを持ち歩くようになる。
6.自分が箱の中にいることによって、他の人たちをも箱の中にいれてしまう。
7.箱の中にいると、互いに相手を手ひどく扱い、互いに自分を正当化する。共謀して、互いに箱の中にいる口実を与えあう。

 

これだけを読んでもよくわからないかもしれませんが、本書ではストーリー仕立てでわかりやすく書いてあるので、どのようにして箱の中に入ってしまうのか、どうやったら出られるのかがよくわかります。

 

特に共感した一文がこちら。

「君が何を考えているのか、わかるような気がする。君は運悪く、しょっちゅう箱の中に入っている人間と働いていた。つらかったと思う。そういう場合、こちらもいとも簡単に箱に入ってしまうことになる。あいつがひどいんだから!と、簡単に自分を正当化できるわけだからね。でもいいかい、いったん箱に入ってしまうと、相手をひどいやつだと責めている自分を正当化するためにも、実際に相手がひどい奴であってくれなくては困ることになる。箱の中にいる限り、問題が必要だからね。そして、こちらが箱の中に留まり続ける限り、相手はひどい奴であり続ける。こちらが責めれば責めるほど、相手は責められるようなことをするわけだ。相手が箱に入っていることを責めたりせずに、しかも相手の箱の存在に築けたなら、そのほうがずっといいと思わないか。結局のところ、こちらもときには箱の中に入ってしまうわけだから、箱の中に入るということがどういうものか、感覚的に、わかっている。さらに、箱の外にいさえすれば、箱の中に入るのがどういうことか、頭でも理解できる。それに、こっちが箱から出てしまえば、相手がひどい奴である必要はなくなり、相手をひどいやつにする必要もなくなる。だから辛い状況を悪化させるのではなく、良い方向にもっていくことができるようになる」

 

具体的には言えませんが、以前箱の中にどっぷり入っている人と一緒に仕事をしていた時があります。まさに上記の状況そっくりそのまま。その時は、こういう状況に陥っているとわからなかったため、何とか正しい方向へ導こうと頑張っていましたが無駄な努力だったということがわかりました。箱の中に入っている相手を変えようと思っても相手は変わらない。自分が箱の外に出て、相手のことを容認しない限り改善されません。

人に力を貸すにはどうすればいいか心に留めておくべきことを紹介します。

知っておくべきこと

◇自分への裏切りは自己欺瞞や、さらには箱へとつながっていく。

◇箱の中に入ると、業績向上に気持ちを集中することができなくなる。

◇自分が人にどのような影響及ぼすか、成功できるかどうかは、すべて箱の外に出ているか否かにかかっている。

◇他の人々に抵抗するのをやめたとき、箱の外に出ることができる。

 

知ったことに即して生きること

◇完璧であろうと思うな。より良くなろうと思え。

◇すでにそのことを知っている人以外には、箱などの言葉を使うな。自分自身の生活に、この原則を活かせ。

◇他の人々の箱を見つけようとするのではなく、自分の箱を探せ。

◇箱の中に入っていると言って他人を責めるな。自分自身が箱の外に留まるようにしろ。

◇自分が箱の中にいることがわかっても、あきらめるな。努力を続けろ。

◇自分が箱の中にいた場合、箱の中にいたと言うことを否定するな。謝った上で、更に前に進め。これから先、もっと他の人の役に立つよう努力をしろ。

◇他の人が間違ったことをしていると言う点に注目するのではなく、どのような正しいことをすればその人に手を貸せるかを、よく考えろ。

◇他の人々が手を貸してくれるかどうかを気に病むのはやめろ。自分が他の人に力を貸しているかどうかに気をつけろ。

 

おそらく、誰しもが箱の中に入ったことがあると思います。おかげさまでプライベートではほとんど箱の外にいることができていますが、仕事では箱の中に入っている人と一緒に働かないといけないこともあり、つい箱の中に入ってしまっていたこともあります。この本のおかげで、この状況を把握することができたので、今後は箱の外にいる時間を増やせそうな気がします。

自分の小さな“箱”から脱出する方法」は万人にオススメできる素晴らしい一冊。今年もたくさんの本を読みましたが今のところナンバーワン。まだ読んでいない方は読んでみてはいかがでしょうか。きっと、人生をより一層楽しく過ごすことができるはず。

ほな!

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