先日Twitterで拡散し、いくつかのネットメディアでも取り上げられたのですでに21兆円が無くたったと勘違いした方も多かったのではないでしょうか。タイミング的にも株価暴落とぴったりだったのでここまで拡散したのでしょう。
日刊ゲンダイDIGITAL 損失額は21兆円に倍増…年金資産の運用見直しは大失敗 2015年1月15日
実はこれ1年前の記事。去年の情報が掘り返されて先日の拡散に至った模様。
先般の記事に関しては完全なデマではなく”最大損失の場合は21兆円”だったということ。これだけの損失の可能性があるということで現時点で21兆円の損失があったのではないという意味ではデマ記事かな。
では、一体私たちの年金運用資金はどの程度の運用損益なのでしょうか。調べてみました。
調査したのは年金積立金管理運用独立行政法人 Government Pension Investment Fund, GPIF)のHP
このHPが粉飾されていたらもう何も信用できませんが一応ここに記載されている数字は正しいという建前の元、内容を見ていきました。
直近の平成27年度第二四半期(7月〜9月)の損失額は▲7兆8,899億円。この金額でもビックリしました。平成27年度では▲5兆2,410億円。しかし市場運用開始以降は+45兆4,927億円と運用益はプラス。運用資産額は135兆1,087億円という巨額を運用しています。
運用資産別の構成割合は国内債券38.95%、国内株式21.35%、外国債券13.60%、外国株式21.64%、短期資産4.46%となっています。昨年までは国内株式比率が12%程度でしたがアベノミクスの操作により25%までに高めるという方針のもと現時点では約21%となっています。株式はハイリスク・ハイリターン。株式に関しては自分も投資しておりますので否定はしませんが25%という比率は高すぎます。
下の表を見ていただければわかりますがやはり株式はブレが大きい。儲かるときは一気に増えますか損すると一気に減ります。国内株式、海外株式ともに第2四半期は二桁減となっているのがわかります。債権などはプラスマイナス1%以内なのでいかに株式はリスクが高いかということがわかるでしょう。
この流れで損益を予測するとおそらく平成27年度通期では21兆円の損失は現実になりそう。年明けの中国上海市場を含む各国マーケットの下落を見ていると、もっと損失が膨らむかもしれません。
ただし運用益が45兆円ありますので普通に預けていた時の利息を差し引きしたとしてもまだプラスの運用益は確保できると思われます。
株式市場運用していただくのは賛成ですが株式比率は下げるべき。10%〜15%が適切ではないかと思います。25%はどう考えても高すぎますのでGPIFの皆さまには一刻も早く比率を下げていただきたい。
まだ21兆円の損失が決定したわけではありませんがその可能性は大だということだけは覚悟しておく必要があります。
今40代以下の皆さまが65歳を超える頃には今のような年金は貰えない可能性がとても高いので、それまでに自分で稼ぐ手段を身につけておく必要がありそうな気がします。
ほな!