改修工事のため約1年近く休館していた豊田市美術館が先日リニューアルオープンしたので早速訪れてみました。つい3年ほど前も長期間の改修工事のため1年ほど休館しており、昨年夏からまたしても改修工事に入りました。前回もリニューアル後訪れたときに何が変わったか全くわからず、今回も同様でしたが、公式サイトを見ると「施設の安全と鑑賞空間の質の向上のため、特定天井の耐震改修、照明のLED改修、防水改修などの工事をしました」とのこと。なぜ1年もかかるのかがちょっと不思議。
それはさておき、リニューアルオープン記念として「世界を開くのは誰だ?」という大規模な展覧会を開催しており、日曜日の午前中に訪れました。ちょうど11時から学芸員によるギャラリートークがあったので同行して、いくつかの作品の詳細を聴きながら鑑賞することができました。
その中で特に感慨深かった作品を紹介します。
黄金比となるフィボナッチ数列を取り入れた作品。
美と醜が混在している作品。美しくなるために着る洋服はその役目を終わると、その途端、粗大ゴミになってしまう…。
希少動物の革でできたランドセル。これらの動物でバッグなどを作ることが人間としてどうなのか問われている作品。
アメリカとロシアのマシンガンライフルを100丁集めたオブジェ。争いが終わり不要になったのか、それともこれから使うための準備なのか…。
何かが隠れています。果たして何が隠れているのでしょうか。どうやら女の子が隠れているらしいのですがわかりますでしょうか。
豊田市美術館では椅子の収集に力をいれており、今回いくつかの作品には実際に座ることができます。
その他、横山大観、藤田嗣治、ルネ・マグリット、ムンクなど著名な作家の作品も並んでいました。
所要時間はゆっくり見て回って1時間ほど。今回は学芸員のギャラリートークに参加したので1時間半ほど滞在しました。2階は空間が広いため、とても気持ちがよく、ゆったりとした気分で作品を鑑賞することができます。
この他、同時開催として「よみがえる織田信長像」の展覧会があります。教科書に載っている一番有名な信長像の掛軸が特別公開されていますので一見の価値あり。
※信長像の展覧会は写真撮影不可。
「世界を開くのは誰だ?」展覧会概要
改修工事のため休館していた豊田市美術館は、2019年6月1日、新たにスタートします。このリニューアルオープンを記念して、当館コレクションで構成する大規模な展覧会「世界を開くのは誰だ?」を開催します。
私たちの世界を可能性に満ちた方向へと開いていくこと。これは美術が追い求めてきた大きなテーマです。私たちが知らないこと、あるいは身近にありながら気づかないものなどを、さまざまな角度から照らし出し、人々を取り巻く世界を新たなフィールドへと拡張してくれるのが、美術の重要な力なのです。それはまた、自分の内にある何かを呼び覚まし、解放して、停滞した状況を前進させるきっかけを与えてくれるでしょう。
忘れてはいけないのは、美術が世界を開くには、アーティストの力のみでは困難であるということです。世界を開く糸口は、アーティストがつくりだす作品と鑑賞者である皆さんとが積極的に交流するなかで生じるものなのです。まずは会場で、作品とじっくり向き合ってみてください。そして「これは、なんだろう?」と思いをめぐらせ対話を重ねることで、はじめて世界は開かれていくのです。
本展は「世界を開く」をキーワードに、この大きな課題に挑む表現の数々を4つのテーマに分けて紹介します。美術館活動の源であるコレクションの中から、選りすぐりの名品をはじめ、新収蔵品もあわせた約100点を全館にて展示します。
以前から豊田市美術館では年間パスポートを購入しています。3,000円なので2回行けばほぼ元が取れます。だいたい3ヶ月に一回のペースで展覧会の内容が入れ替わるため少なくとも年3〜4回は訪れます。展示によっては2回行くこともあるので確実に年間パスポートの方がお得。
次回は7月23日から「クリムト展:ウィーンと日本 1900」が始まりますので、また訪れるつもり。豊田市美術館は館内よりも外の建築物のデザインが秀逸でフォトジェニックなスポットがたくさんありプロフィール写真などの撮影にはぴったり。今度は撮影がてら行ってみようかな…。今回の「世界を開くのは誰だ?」は色々考えさせられる作品が多く、なかなか深い作品が多いのでぜひ訪れてみてください。
ほな!おおきに!