先日本屋に行ったら「学力の経済学」が入り口を始め各所に平積みされておりました。帯にはAmazonのビジネス書・経済書ランキングで3週連続1位と書いてありましたのでつい購入。本日2回目読了しましたので書評レビューいたします。
この本は子どもの教育に関して科学的根拠のあるデータを基づいて論じられており、子どもを持つ親としては色々参考になることが書かれてありました。
最も参考になったのは「テストで良い点を取ればご褒美」と「本を読んだらご褒美」のどちらが効果的でしょうか?という内容。学力テストの結果が良くなったのは前者のアウトプットにご褒美を与えられた子どもたちではなく後者のインプットにご褒美を与えられた子どもたちでした。ここから得られる重要な教訓は、ご褒美は「テストの点数」などのアウトプットではなく、「本を読む」「宿題をする」などのインプットに対して与えるべきということ。
まずは「勉強の仕方」を勉強することが重要でアウトプットにご褒美を与える場合には、どうすれば成績を上げられれのかという方法を教え、導いてくれる人が必要であることがわかります。
その他下記のようなことが書かれておりました。
・「勉強しなさい」というのはエネルギーの無駄遣い。
・「友だち」が与える影響はとても大きい。
・子どもへの投資でもっとも収益率が高いのは小学校入学前の幼児教育である。
・しつけを受けた人は年収が高い。
・少人数学級は学力を上昇させる因果関係はあるが他の政策と比較すると費用対効果は低い政策である。
・行き過ぎた平等主義が格差を拡大させる。
・教員免許は必ずしも教員の質を担保できているわけではない。教員免許の有無による教員の質の差はかなり小さい。
など科学的根拠で裏付けされた内容がたくさん書かれておりました。
しかし最後に著者のあとがきを読んでモヤッとしました。日本を派遣だらけにして若者の正規の働く場所と給与を奪い自分だけ私腹を肥やしているパソナ会長でありA級戦犯の竹中平蔵が師とのこと。もし最初にこの事実を知っていたらこの本を買っていなかったと思います。また著者には子どもがいないので果たして教育論を語るのはどうなんだろうと思ったりもしましたが、その点に関してはむしろ冷静な視点で書かれているのかなと。
竹中平蔵パソナグループ会長の「正社員をなくしましょう」発言と派遣法改正案の関係
どちらにせよ、子育てしている方は読んで損はありません。ただし、竹中平蔵の教え子ということを念頭に置いて読むことをオススメいたします。
ほな!