今年のGWは「天皇の即位の日および即位礼正殿の儀の行われる日を休日とする」法律が施行され、5月1日が祝日になったことにより10連休となりました。土日祝が休みの一般企業の方は10連休をフルに使って海外旅行へ行ったり、今までできなかったことをしたりと色々恩恵があると思います。しかしGWが仕事の小売業やサービス業に勤務していて子どもがまだ小さい家庭にとっては、このGWの10連休は大迷惑。
子どもがいらっしゃる方はご存知だと思いますが、夏休みなどは預かり保育や学童保育があるため、親が仕事をしていても子どもを夕方まで預かってくれるのですが、祝日はこういった施設も休みなるため親も休まなければなりません。
専業主婦の家庭は特に問題ないかもしれませんが、共働き家庭にとってはたいへんな試練となります。ワタクシの場合は妻がパートタイムのため、妻にできるだけ休んでもらって何とか対応できますが、両方とも正社員でお互いが小売・サービス業や土日祝が休みでない職種の夫婦の場合は交代で休んで有給などを使って子どもの面倒を見なければならず10連休は本当に大迷惑。
ワタクシの場合も妻は時給で働いているため、パート代が激減します。かといってどこかへ旅行に行くわけでもなく、ただ子どもの面倒をみるためだけに休まなくてはなりません。全くもって無駄、無駄、無駄…。
日本人の生産性が低く、長期休暇が取れない理由は祝日が多すぎることに要因があるような気がします。日本の 祝祭日数は世界一の17日(今年はさらに1日増えて18日)。フランスは祝祭日数はたった9日ですが、有給消化日数が30日もあり、合計で39日休んでいます。一方、日本の有給消化率はわずか10日で合計しても27日にしかなりません。日本は細切れの 祝祭日で休むため、ヨーロッパのように長期休暇も取れず…。
祝祭日でみんなが一斉に休むことにより、様々な弊害が起こります。本来流れている業務は寸断されストップします。休みの分を前倒しで仕事しなくてはならないため、余分な負荷がかかります。また観光地はどこも混雑しますし、旅行の費用も需要と供給のバランスが崩れるため2~3倍高額になります。そして株式市場も10日間休みになるため、リーマンショックのような株価暴落があったとしても何の対処もできません。ある意味、怖すぎます。
自動車などの工場でモノを作るような製造業を除いて、一斉に休んでいいことはひとつもありません。交代で休めば、業務を止めることなく対応できますし、休んだ人のフォローをすることで知識やスキルがあがります。また休んだ人はフォローしてくれた人に感謝するようになり、コミュニケーションも円滑になります。
日本はこれから未だかつてどの国も体験したことのないような急激な人口減少局面に突入します。そういった環境で生産性を上げて競争力を高めるためのひとつの方策として祝祭日日数の削減は必須ではないでしょうか。特に長期の連休となるゴールデンウィークやお盆休みは無くして、社内で調整しながら交代で休めば生産性は確実にあがり、休みも取りやすくなります。
今春には長時間労働の是正などを目途とした改正労働基準法が施行されます。国の法規制のもと「時間外労働の上限規制」や「年次有給休暇の年間5日間取得義務化」などが求められます。この制度を形骸化させないためにも祝祭日を休みにせず、平準化することが重要ではないでしょうか。もちろん、 祝祭日自体は大切な行事なのでそのまま残して構いませんが、 祝祭日 だからといって全員で会社を休みにする必要はないと思います。休みたい人は休んで、働きたい人は働けばいいだけのことではないでしょうか。
欧米では3週間~1ヶ月の長期休暇を取る人が大半で、休暇を思い存分楽しんでリフレッシュしてプライベートも仕事も満喫しています。その上、生産性は日本の倍以上。日本人の働き方が時代に合っていないのは明白な事実。少しずつでも働き方を変えていかなければ、どんどん世界の先進国から取り残されていきます。
日本の経営者のみなさま、まずは従業員に「固定された祝日に休むのがいいか」それとも「祝日ではなく自分の好きなときに休めるのがいいか」どちらかヒアリングして祝日に休みたい人が少なければ、祝日の休みを無くして柔軟に休めるようにしてみてはいかがでしょうか。
ほな!おおきに!