ノマサラ

森美術館で特別企画 AI×美空ひばり「あれから」を鑑賞して思ったこと

先日、東京に行く機会があり、森美術館で開催中の「未来と芸術展」を訪れた際、特設シアターにて「AI美空ひばり」のスペシャルバージョンを4K高画質で上映されていたので鑑賞してきました。

「AI美空ひばり」は12月31日の「第70回NHK紅白歌合戦」で放映され話題になり、様々な議論を呼んでいます。特設シアターではAIにより再現された歌声と、3D・超高精細映像によりよみがえる美空ひばりさんに会うことができます。紅白歌合戦はほとんど観ていなかったので終わってからYouTubeで観たのですが、涙している人たちが映っていました。そのときは全く感動せず、なぜ泣いているのかわからなかったのですが特設シアターで最高品質の音響と実物大の超高精細映像で観たらなぜか泣けてきました。

美空ひばりさんの歌声は心に染みわたる何かがあるようで、今回のAIによる音声はそれが再現されているということがわかりました。ネットでは歌声が全然似ていないとか3D映像が気持ち悪いとかいう意見も多かったようですが、映像はともかく、歌声は高性能のスピーカーで聴いたら本人に相当似ており、AIだと言われなければわかならいと思います。これを作ったヤマハの技術は本当にすごい。

映像に関してはまだいわゆる3DCG特有の「不気味の谷」を超えることはできていませんがもっと資金と時間をかけて作れば全くわからないレベルになるはず。すでに映画の世界では本人と見分けがつかないCGの役者が動いてますので…。

ただ、今回の件は倫理的な問題としては微妙だとも思いました。亡くなった人が実際にいるかのようにAIで再現されたら依存してしまうのではないでしょうか。またこういった技術がコモディティ化され価格が下がったときに好きなアイドルやタレントを自分の思い通りに動かせるとなると、虚構の世界で生きてしまうような気がしてなりません。まさにマトリックスの世界が現実になりそうな予感がします。

さて、難しいことはさておき最新の技術によって蘇った美空ひばりさんをぜひ特設シアターで鑑賞してみてください。Youtubeにも映像は上がっていますが全くクオリティが違いますので「未来と芸術展」を鑑賞するついでに足を運んではいかがでしょうか。

特別企画AI×美空ひばり「あれから」

展示期間
2019年12月20日(金)~2020年2月2日(日)10:00~21:00
※会期中無休
※火曜日のみ16:00まで

会場
森美術館「未来と芸術展」特別シアター(六本木ヒルズ森タワー3階)

料金
無料
※ただし、当日有効の「未来と芸術展」のチケットが必要です
※六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー、森アーツセンターギャラリー「特別展 天空ノ鉄道物語」のチケットでもご覧いただけます

「あれから」
作詞:秋元 康 作曲:佐藤嘉風 編曲:野中“まさ”雄一

美空ひばり最後のシングル「川の流れのように」を手掛けた、秋元康が作詞とプロデュースを担当した新曲。広く作曲家に呼びかけ、集まった膨大な候補曲から1曲を選びました。令和の時代に美空ひばりがよみがえったら、どんなメッセージを私たちに伝えるのか? 秋元が思いを巡らし詩をつけました。これまでの楽曲にほとんどなかった「語り」の部分は、“天国のひばりが私たちに語りかけるメッセージ”が込められています。等身大で浮かび上がる映像の動作は、ひばりを師と仰ぐ、歌手・天童よしみが担当。ひばりに成り代わって「あれから」を歌い、無意識に出る動きをデータ抽出し映像へ反映しました。生前の舞台衣装を担当していたデザイナー・森英恵は、天国のひばりが舞い降りた姿をイメージし、数百枚の布を組み合わせた実物大のドレスを作り上げました。動作やドレスを解析技術によってデータ化し、ひばりの声と共にその姿の再現に挑みました。

NHKスペシャル「AIでよみがえる美空ひばり」で放送されたライブ映像


 

ほな!おおきに!

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