書評「やりがいのある仕事」という幻想 森博嗣著







この本も人生のメンターであり愛知の文具王でもあるフミヒロさんのブログで見てAmazonでポチッと。最近、このパターンが多いこと多いこと。でも、全くハズレがないので安心して買うことができます。

森博嗣2

 

この『「やりがいのある仕事」という幻想』は社会人はもちろん、就活する大学生にぜひ読んでいただきたい一冊。きっと価値観が変わると思います。

仕事に勢いが持てなくても、すごい成果が残せなくても、人が羨む職業につけなくても、君の価値は、変わらない。人々は、仕事に人生の比重を置きすぎた。もっと自由に、もっと楽しく、もっと自分の思うように生きてみてもいいのではないだろうか。成功するとはどういうことか?良い人生とは?擦り切れた心に刺さる画期的仕事論!

この本を読んで心に刺さったポイントをいくつかあげておきます。

人は働くために生きているのではない

僕の仕事に対する第一原理というのは、これまでに幾度も書いているが、つまり「人は働くために生きているのではない」ということだ。

 

偉大さ、大変さを捏造

子供には、「仕事は大事だ」「仕事は大変なのだ」という風に大人は語りたがる。これはもう、単に「大人は凄い」と思わせたいだけのことで、大人のいやらしさだと断言してもよい。子供は、学校で結構苦労している。勉強も大変である。僕は、社会人のしている仕事のほうが、学業よりも楽だと考えている。どちらかと言えば、子供のほうが大変だと思う。ただそう思わせては、子供も可哀想だし、大人もやりづらい。だから、躍起になって大人は 「仕事の大変さ」を捏造しているのだ。

 

無理に働く必要はない

そもそも、就職しなければならない、というのも幻想だ。人は働くために生まれてきたのではない。どちらかと言うと、働かない方が良い状態だ。働かない方が楽しいし、疲れないし、健康的だ。あらゆる面において、働かない方が人間的だといえる。ただ、一点だけ、お金が稼げないという問題があるだけである。したがって、もし一生食うに困らない金が既にあるならば、働く必要などない。もちろん、働いても良い。それは趣味と同じだ。働くことが楽しいと思う人は働けば良い。それだけの話しである。こんなことは当たり前だろう。

 

自分にとっての成功はどこにあるか

人それぞれに生き方が違う。自分の道というものがあるはずだ。道というからには、その先に目的地がある。目標のようなものだ。まずは、それをよく考えて、自分にとっての目標を持つということだ。「成功したい」と考える前に、「自分にとってどうなることが成功なのか」を見極める方が重要である。

 

第4章の仕事の悩みや不安に答えるが特に秀逸。作者が論理的にスパッと回答していきます。筆者は「冷たいかもしれない」と語っていますが、そうは思いませんでした。確かに若い方には冷たいととられるかもしれませんが、この歳になると色々わかってくることがたくさんあります。筆者の回答は99%正しい。

大学時代からの一番心置きなく話せる友人は就職氷河期に全く就職活動をせず、アメリカに渡り一年ほど過ごした後、誰もが知っている現地の某超大手IT企業に就職、日本法人での勤務となり17年勤めた後、マレーシアへ移住し企業しました。そういう人生もアリ。同じようなスーツ着て、同じような髪型をして必死に就職活動しなくなもなんとかなります。

今年もすでに良本とたくさん出会っています。まだまだ面白そうな本が積まれてますのでどんどん読んでいきます。

ほな!