昨年は一年間で映画100本鑑賞するという目標を掲げ、結果111本という結果で終えました。しかしながら、本を読む時間が減ってしまったので今年は50本に減らす代わりに毎月映画館で1本以上鑑賞するという目標を立てました。1月は「こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話」、2月は「アリータ・バトルエンジェル」、3月は「運び屋」、4月は「スパイダーマン:スパイダーバース」、5月「アベンジャーズ エンドゲーム」、6月「アラジン」、7月「キングダム」、8月「天気の子」を鑑賞しました。自宅ではAmazonプライムを中心に鑑賞しており、合計ですでに37本鑑賞しました。
9月は職場異動と自宅の引っ越しが重なるというまさかの事態になり結構てんやわんやでゆっくり映画を観る余裕がなく、月末ギリギリになんとか21時からのレイトショーで「記憶にございません」を鑑賞してきました。三谷幸喜の最高傑作と宣伝されていますが、そこまでではないものの十分笑えて楽しむことができました。
国民から嫌われ、史上最低の支持率2.3%を叩き出した総理大臣・黒田啓介。ある日、一般市民の投げた石が頭に当たり、記憶喪失になってしまう。金と権力に目がない悪徳政治家から、一夜にして善良で純朴な普通の「おじさん」に変貌してしまった啓介。国政の混乱を避けるため、記憶喪失の事実を知るのは、直近の秘書官3名のみ。国民はもちろん、大臣たち、家族にさえ、記憶を失ったことを隠し、秘書官たちに助けられながら、ギリギリなんとか日々の公務をこなしていく……。
設定は色々ツッコミどころがありますが、この映画はあくまで「喜劇」。難しいことは考えず三谷ワールドを楽しむべし。政治に対する風刺はほとんどないものの、「人は生まれ変わることができるのか(性格を変えることができるのか)」という哲学的な問をもった作品。唯一、政治的なメッセージとしては映画の中で消費税増税の話題があり、記憶を無くし恩師から政治の勉強をした後「企業の法人税を上げたら消費税は上げなくてもいいんじゃないでしょうか」と言っていましたがまさにその通りだと思います。10月の消費税増税はとてつもなく日本経済にダメージを与えるのと同時に大混乱をきたすような気がします。
「記憶喪失」という設定は様々な小説や映画で使われてきましたが天才・三谷幸喜の手にかかると今までになかった目新しい脚本になります。最後のひと捻りも含めて感心することしきり。
三谷ファミリーの常連俳優は固定されておりみなさん抜群の演技派なので安心して観ていられます。中井貴一に佐藤浩市、梶原 善、小林 隆、近藤芳正らが出てくると三谷作品らしさを実感します。この作品では小池栄子、ディーン・フジオカ、石田ゆり子、斉藤由貴、草刈正雄、木村佳乃、吉田 羊などいずれも主役を張れるような俳優ばかりでそれぞれの役にぴったりハマっています。特に石田ゆり子は超タイプなので彼女が出ているだけで観る価値があります。映画の中でも総理大臣役の中井貴一が「妻は僕のタイプなんです」と言っていましたが(笑)
三谷幸喜の作品は凝ったCGもなく絶対に映画館の大きなスクリーンで観なければないということはありませんが、2時間、全てを忘れて三谷ワールドに没入できますので映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
「記憶にございません」ストーリー(公式サイトより)
病院のベッドで目が覚めた男。自分が誰だか、ここがどこだか分からない。
一切の記憶がない。こっそり病院を抜け出し、ふと見たテレビのニュースに自分が映っていた。演説中に投石を受け、病院に運ばれている首相。そう、なんと、自分はこの国の最高権力者だったのだ。そして石を投げつけられるほどに……すさまじく国民に嫌われている!!!部下らしき男が迎えにきて、官邸に連れて行かれる。
「あなたは、第百二十七代内閣総理大臣。国民からは史上最悪のダメ総理と呼ばれています。総理の記憶喪失はトップシークレット、我々だけの秘密です」真実を知るのは、秘書官3名のみ。進めようとしていた政策はもちろん、大臣の顔と名前、国会議事堂の本会議場の場所、自分の息子の名前すら分からない総理。記憶にない件でタブロイド紙のフリーライターにゆすられ、
記憶にない愛人にホテルで迫られる。
どうやら妻も不倫をしているようだし、息子は非行に走っている気配。
そしてよりによってこんな時に、米国大統領が来訪!他国首脳、政界のライバル、官邸スタッフ、マスコミ、家族、国民を巻き込んで、記憶を失った男が、捨て身で自らの夢と理想を取り戻す!果たしてその先に待っていたものとは……!?
ほな!おおきに!