先日、富山県オンライン交流コミュニティ「T-ROOM」が現地交流会を開催し、とても面白そうな内容だったので名古屋から参加してきました。
富山県オンライン交流コミュニティ「T-ROOM」は「富山県を盛り上げたい」という思いを持った人たちが富山県と繋がることができるオンライン交流コミュニティ。
オンラインイベントでは「企画でメシを食っていく」主宰でコピーライターの阿部広太郎さんを迎えて、「富山の企画~地元でメシを食っていく」と題した連続講座を開催しています。
先日、第一回目があり、「自分の広告を作ろう」という課題を事前に提出。
それを阿部広太郎さんが一人ひとり添削してくれるという何とも贅沢な夢のような企画。
しかも参加費は無料。
いやはや、オトク過ぎます。
連続講座のため、来月以降も開催されます。
次回は『自分のことで、富山のことで、なんとかしたいと思うことはありますか?「なんとかしたい」を起点に、それをどう変えていけるか企画を考えてみましょう』という課題が出ました。
この課題を手掛けるにはやはり現地に行ってみる必要があると思ったのも今回、現地交流会に参加する動機となりました。
イベントは土曜日の11時からのため、ほかの観光も兼ねて前日から一泊二日で富山へ。
移動は高速バス「きときとライナー」で3時間半で高岡まで。
初日は別のオンラインサロンで知り合った友人に案内してもらい、東岩瀬地区のビアパブ、ガラス美術館、コワーキングスペースなどをまわりました。
宿泊はドミトリーの「いるかホステル」へ。
翌朝はずっと行きたいと夢リストに書いていた日本一美しい「スターバックス環水公園店」へ。
11時に富山市駅のバスロータリーに集合して、貸切バスで総曲輪(そうがわ)にあるほとり座へ移動。
一階には「カフェ」があり、2階は映画館があります。
この日は映画観賞用の椅子は撤収されていて円形に座ってオーナーである川辺和寛氏の講演をお聴きしつつ参加者でディスカッションをしました。
講演では日本の商業施設やレストランがチェーン店ばかりになっていることへの危惧、オーディオ&ビジュアル環境の劣化、個人店舗への揺り戻しが来るなど共感できることがたくさんありました。
ワタクシ自身、小売業に携わっていますが、最近のリーシングはどこでも似たようなものばかり。
デパートでもイオンなどのSCでも金太郎飴のような店舗構成ばかりで、それぞれの地方独特の魅力がほとんどありません。
東京の流行ってる店を誘致し「◯◯地方初出店」というようなパターンが多く、開店時は興味本位で行列ができますが、時間とともに人気が落ち着いていきます。
このようなチェーン店は地元にほとんどお金が落ちず本社がある都会に流れていきます。
川辺氏はミュージシャンでもあり、音や映像へのこだわりを人一倍持っておられます。
ワタクシはミュージシャンではありませんが若かりし頃はオーディオ&ビジュアルにのめり込み、稼いだ大半はオーディオ機材やレーザーディスク、DVDなどに注ぎ込みました。
最近の映画鑑賞は、ほぼAmazonプライムやNetflixなどのストリーミングになっていますが、4K映像とはいえ相当圧縮されているため、作品本来の色や諧調、音を再現できていません。
それをわかった上で観ているならいいのですが、作品本来のクオリティを知らずにストリーミングの映像が当たり前という状況はマズいと思います。
そして、日本人は人間の五感をどんどん使わなくなってきており、もっと五感を働かせて生きていく必要があると仰っていました。
今の日本は賃金、産業、政治、思考などあらゆる点において、欧米はもとよりアジア各国にも見劣りしており、今の現状を少しずつでも変えていかないと明るい未来はないと思います。
ほとり座の隣にあるSOGAWA BASEは地元発信の店が多く、今までにありがちな商業施設とは一線を画していました。
この「もちもなか源七」もその店舗のひとつでお土産に買っていきましたが、めっちゃ美味しくて感動しました。
こういう商業施設が増えると街が魅力的になってきます。
今回、オンラインイベントにも参加されているグラフィックレコーダーの山口さんによるグラレコがあり、川辺氏の講演内容がざっとまとめられていました。
講演後は昼食タイムを挟んで、立山の麓にあるコワーキングスペース「KOTELO」へ移動。
昼前まで雪が降り続いていたのですが、移動する少し前から雲が消えて青空が広がってきました。
朝の時点では大雪のためKOTELOへ行けないかも…と思ってましたが杞憂に終わりました。
実はワタクシもこのイベントに誘ってくれた方も「全国晴れ男・晴れ女協会認定」の晴れ人間。
二人揃ったら無敵ということが証明されました(笑)。
富山市中心部からKOTELOまでは45分ほどで到着。
周辺の山々は雪化粧され絶景が広がっていました。
KOTELOはフィンランドの言葉で「サナギ」を意味します。
ロゴのマークも「サナギ」をモチーフに作られています。
廃校になった小学校を改装してコワーキングスペースとして運営されていますが、ほぼ当時の施設をそのまま使っています。
以前、この小学校を建て替える際には地元の方々から多くの寄付金が寄せられ、今でも十分通用するモダンな校舎が建てられました。
KOTELOのオーナーはIT企業を経営されている福崎秀樹氏。
友人から「この芦峅(あしくら)小学校をどうにか活用できないか」と持ちかけられ、事業として成り立つのかを色々検討した結果、リモートワークが主流になるこれからの時代ならばいけると判断。
生産性ばかりを追求するのではなく、人間として生きがいを持てる働き方をしながら儲けるには、KOTELOのような「五感」をフルに感じることのできる場所で働くことが重要になります。
当初は1階にカフェができる予定でしたが、諸事情あり、まだできていません。
おそらくカフェは固定費などのコストやオペレーションを考えると現時点では採算が合わないような気がするのでスタート時は無くて良かったと思います。
今後、会員が増えて常に利用者がいる状況になってからオープンで十分かと。
このKOTELOを利用してメリットがあるのはリモートでクリエイティブな仕事をしている人たち。
都会のコワーキングスペースや自宅での仕事環境は情報量が多く左脳を使いがち。
このKOTELOは周りに自然しか無いので五感が刺激され、右脳の働きが強くなり、クリエイティブな思考を生み出すには最適。
この地は立山信仰が根強く、昔の人たちは立山に登ることで死後の世界を体感し「新しい自分に生まれ変われる」と信じられていました。
KOTELOの入口にある大きな杉の木は立山信仰の入口であり、ここがスタートだという目印になっています。
館内はワタクシたちが福崎氏の講演を聴いた会議室のほか様々な部屋があります。
校長室、理科室、音楽室など、それぞれの特徴を活かしてリフォームされていました。
置いてある家具や絨毯などは地元の販売店の協力により無料で使わせていただいているとのこと。
ここで体験してモノが良ければ購入に繋がる可能性大なので、三方よしのビジネスモデル。
音楽室は防音になっており、余暇時間はここでNetflixなどで映画鑑賞を楽しめます。
プロジェクターの大画面、本格的なスピーカーから迫力のサウンドでの映画鑑賞はパソコンやタブレットで観るのとは満足度は段違いでしょう。
この日は雪が降るような天候でしたが、各部屋には暖房設備があるので、冬場でも全く問題ありません。
夏場はおそらくクーラー要らずで避暑地的な過ごし方ができるのではないかと思われます。
KOTELOはまさにこれからの時代に見合った働き方を体験できる唯一無二のコワーキングスペース。
リモートワークが主流の企業や個人事業主の方なら利用してみる価値は十分にあります。
なお、向かいにある民家を買い上げたとのことで宿泊での利用も可能になりました。
KOTELOでも山口氏によるグラレコにてイベントの概要がわかりやすくまとめられています。
いやはや素晴らしい才能。
最後はみんなで記念撮影。またここへ来たいと思います。
T-ROOM公式note
今回、富山を訪れて感じたのは、本当にセンスが良くて素晴らしいお店や施設がいくつもあるということ。
そして、そこそこ都会でありながら、少し車で走れば大自然を満喫できる田舎でもあり、そのバランスが絶妙。
天気に関しては冬場はほぼ曇天で一年を通して晴れの日が少ないので、憂鬱に感じる方がいるかもしれません。
ただし、視点を変えれば紫外線に当たる時間が少なくて美白を保てるというメリットがあります(笑)。
実際に富山には色白の美人が多い印象を持ちました。
県庁の方から富山に移住して、良かったという方もいればそうでない方もいると伺いましたが、結局は何事もどう捉えるかのような気がします。
どうも、今後、富山とは深い関わりを持ちそうな予感がしています。
というか富山で仕事したいので、何かあれば声をかけてください!
カメラマン、広報・PR、ライティング、物販アドバイザーなど色々スキルあります(^^)。
ほな!おおきに!