政府やマスメディアに恐怖を感じる! 映画評「リチャード・ジュエル」







一昨年は年間で111本、昨年は55本の映画を鑑賞しました。今年も年間50本以上かつ毎月映画館で1本以上鑑賞することを目標に掲げました。1月は「フォードVSフェラーリ」を鑑賞。2月は「パラサイト 半地下の家族」を鑑賞しようと映画館に行ったら満席で断られ、以前から候補にしていた「リチャード・ジュエル」を鑑賞することに。

監督は俳優としても監督としても数々の賞を獲得している90歳になるクリント・イーストウッド。昨年公開された「運び屋」も素晴らしい作品で感動しました。この歳で毎年のようにクオリティの高い作品を撮り続けられるエネルギーに感服します。

この「リチャード・ジュエル」はマリー・ブレナー(英語版)が1997年に雑誌『ヴァニティ・フェア』に寄稿した記事『American Nightmare: The Ballad of Richard Jewell(アメリカの悪夢:リチャード・ジュエルのバラード)』を原作とし、1996年のアトランタオリンピックで爆発物を発見して多くの人命を救った英雄であるにもかかわらず、FBIやメディアに容疑者と見なされた実在の警備員リチャード・ジュエルを描いています。

実話を映画化するのはクリント・イーストウッドの得意とするところですが、今回の作品もドキドキ、イライラしつつも最後は勧善懲悪な終わり方でスカッとします。根拠も証拠もなく疑ってかかる政府やFBIとそれに便乗して間違った情報を拡散させるマスメディアは本当に悪でしかありません。

そういった社会に警鐘を鳴らす作品であり、色々考えさせられるとともに一般市民でもいわれのない冤罪に巻き込まれる可能性があることに恐怖を覚えました。

リチャード・ジュエルの母親役のキャシー・ベイツがアカデミー賞の助演女優賞をにノミネートされており、人気が高まっています。まだしばらくは公開されると思いますのでぜひ映画館へ足を運んでみてください。

作品概要

1996年、警備員のリチャード・ジュエルは米アトランタのセンテニアル公園で不審なリュックを発見。その中身は、無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾だった。事件を未然に防ぎ一時は英雄視された彼だが、現地の新聞社とテレビ局がリチャードを容疑者であるかのように書き立て、実名報道したことで 状況は一変。さらに、FBIの徹底的な捜査、メディアによる連日の過熱報道により、リチャードの人格は全国民の目前でおとしめられていった。そこへ異を唱えるため弁護士のワトソンが立ち上がる。無実を信じ続けるワトソンだが、そこへ立ちはだかるのは、FBIとマスコミ、そしておよそ3億人の人口をかかえるアメリカ全国民だった―。 監督は、2020年で90歳を迎える巨匠クリント・イーストウッド。『アメリカン・スナイパー』を超える緊迫感と共に、”知られざる真相“への興味と感心を絶えず刺激し続けながら、心優しい男が、なぜ全国民の敵となってしまったのか?を追うサスペンスフルドラマとして描き出す。 SNSが人々の生活に根付き、姿なき誹謗中傷が蔓延する現代社会。誰もが「被害者」や「加害者」になりえる今の世の中へ、クリント・イーストウッドが警鐘を鳴らす。

 


 

 
ほな!おおきに!