なぜ保育園に落ちるのか理由がわかる一冊 書評「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」松村嘉浩著







昨年2月にはてな匿名ダイアリーに「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿があり大きな話題になりました。

はてな匿名ダイアリー
保育園落ちた日本死ね!!!

今年も改善されず、多くの方が保育園に落ち、ツイッターなどで悲痛な叫びをあげておられました。「 #保育園落ちた2017」などで検索すると数えられないほどヒットします。筆者の妻は結婚して寿退社したため保育園に入れることはせず幼稚園に通わせましたので、この問題には直面しましせんでした。先日、同僚が保育園に落ちて奥様が一年間休職しなければならなくなったとのこと。身近にこの問題に直面した人がいると保育園問題はたいへんなんだことだと実感します。

先日読んだ「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」に保育園に落ちる理由が書いてありましたので紹介します。


保育園に落ちる理由、その犯人は「既得権益層である、じいさん・ばあさん」に他なりません。

最近、なぜ、みんな<漠然と不安>なのかというと、まったく<新しい時代>にいるのに、今までどおりに生きようとする既得権益層が世の中を歪めているから。経済成長が止まって人口が減っているにも関わらず、高度経済成長の時代に約束された年金を払うために様々な福祉政策、特に若年層向けの政策が犠牲にされています。

団塊の世代の人口が多く、選挙権がある以上、高齢者向けの福祉政策を手厚くしないと政治家は選挙に通らないため、おかしいと思っていても高齢者を優遇せざるを得ません。

これを解決するには選挙権の1票に年代ごとに比重をかけて計算するしかありません。例えば40歳を1とした場合、50歳は0.7、60歳は0.5、70歳は0.3、一方で30歳は1.2、20歳は1.5 といった係数をかければバランスが取れるはず。紙の投票用紙では難しいですが、ネット投票にすれば容易いこと。システムとしては日本の技術を持ってすれば簡単なことですが、これも既得権益層によって阻まれているのだと思います。

先日も高齢者が「保育園ができるとうるさい」と声をあげ、建設が中止になりました。彼らが若い時も保育園がうるさいのは変わらなかったのですが、高齢者は少数だったため問題にならなかっただけ。人口ボリュームが大きい層の意見が通ってしまうのが今の世論。

この層が寿命を迎えて世の中から居なくならない限り<漠然と不安>な状態は無くならないような気がします。

この「増補版 なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」では

・これからの世の中はどうなっていくのか?
・何が本質的な問題なのか?
・我々はどうするべきなのか?

 

が明確に示されています。近年読んだ中では断トツに分かりやすく面白い経済書で一気に読み終えました。これからの日本は人口オーナス期を迎え新たな時代に突入します。その時にどう対処すべきか知っていると知らないのとでは全然違ってきます。「今」という時代を楽しみながら生きていきたい方には超オススメ、必読の一冊。

ほな!