世界が変わって見える知性の仕組み 書評「具体と抽象」細谷功著







いまは無きCAFEBUS NONののんちゃんがブログでオススメされていたのを見て読むことにしました。ずっと積読になっていてすっかり忘れていたのですがやっと読了しました。

 


今まで本はamazonで買うことが多かったのですが、最近はメルカリで買うことが増えてます。Amazonの最安値よりかなりお値打ちに手に入ります。読み終わったらまた売ればいいので、送料と手数料合わせても約200〜300円で本を読むことができます。ただし、著者には印税が入らないので申し訳ないとは思いますが…。

さて、この具体と抽象、ページ数は多くはありませんが、素晴らしい内容で、最近読んだ本の中でも上位にランキングします。

近年は「わかりやすさ」が求められていますが、この本はそれに逆行する本。ただし、いかに抽象的なことが大切であるかがわかる一冊。

具体と抽象の例でわかりやすいのが第9章の自由度の章。「原作」を読むか「映画」で見るか。言うまでもなく「映画」は具体的、「原作」は抽象的なメディアになります。例えば最近の映画だとマスカレードホテルの主人公は映画ではキムタクなので、誰が見てもキムタクのイメージになりますが、原作は読む人それぞれイメージが違うので、キムタクの人もいれば、三浦翔平やら、福山雅治など自由に妄想できます。

どちらが良いとか悪いとかという話ではなく、抽象的な方が自由度が高いということになります。ほかの事象も同様に、具体的なことよりも抽象的な提案の方が自由度が高く、新しい発想などは抽象から生まれるような気がします。

仕事においても抽象化はとても大切で、抽象化できてる人は本来30分かかるプレゼンを時間がないから3分で話してと言われた時に要約してかいつまんで話しができますが、具体レベルのみで考えている人は最初の3章だけとか各章のはじめの部分だけを抜き出すという選択肢しかありません。

仕事でもプライベートでも話が噛み合わないということがあると思います。その場合はおそらく「具体で話す人」と「抽象で話す人」という原因が考えられます。全体像を把握して高い視点を持っている人同士は抽象化された内容でも理解できますが、そうでない場合は細く具体化しないと話が噛み合いません。

往々にして、上記のようなことは起こりますので、いかに物事を抽象化して考えるかが重要になります。これについては普段からアウトプットをして訓練していないとなかなか鍛えられません。

これからの時代は今までとは全く違う思考を持たないと生き残れません。今まさに産業革命に続く革命が起きています。ただし、現時点で気づいていない方も多く、あと何年か経った頃に、そう言うことだったのかと気づいたときには遅いかもしれません。

時代によって思考の概念も変わります。すでにロジカル思考→デザイン思考→アート思考へとシフトしており、まさに具体→抽象という流れも同じだと思います。この「具体と抽象」は素晴らしい内容なのでぜひ手にとって読んでみてください!

ほな!おおきに!