愛知県の緊急事態宣言が解除され各美術館が再開されました。No Musium No Lifeとまでは言わないまでも心を満たす上でワタシにとっては美術館はとても大切な場所であり欠かせない存在。
豊田市美術館は年間パスポートを買っており自宅からは1時間ほどかかりますが定期的に訪れています。年間パスポートの料金は3,000円なので2回行けば元が取れます。過去には「ジブリの立体建造物展」や「東山魁夷展」「クリムト展」などビッグタイトルも時々誘致されており、満足度は十分。
豊田市美術館も新型コロナウイルスの影響によりしばらく休館していましたが緊急事態宣言が解除され、やっと鑑賞することができるようになりました。今回は「開館25周年記念コレクション展 VISION Part 1 光について / 光をともして」と「久門 剛史 − らせんの練習」の同時開催。
「開館25周年記念コレクション展」では奈良美智の作品などが展示されておりました。初期の頃の作品もあり奈良美智ファンなら間違いなく楽しめます。
「久門 剛史 − らせんの練習」は様々なインスタレーション作品が展示してあります。最初の展示「Force」では壁面に様々な大きさのアルミニウム板が設置されており、その一枚一枚から伸びたアームの先に給紙トレーのような装置が取り付けられています。これらにはゆっくり動くモーターが取り付けられておりじわじわと用紙をトレイの外へ送り出しています。室内の四隅に設置されたスピーカーからは低周波の不気味な轟音が響きわたっています。
ある程度時間が経つと紙片が壁面のアルミニウム板に影を映しながらひらひらと舞い落ちます。その光景は美しい自然現象を捉えた時に感じる感覚とともに思わず目が釘付けになりました。一方、円形のガラステーブル状の彫刻は長兄2.3mの巨大なガラスの天板が傾いた状態になっており、ガラスいたと床が接する部分やその周辺に裸電球の束があり、小さな光が呼吸するようにゆっくりと明滅してます。このオブジェには円形ガラスの幾何学的な美しさ、電球の集合体の中で瞬く光の崇高さと安定していた世界が崩れるという危うさとが同居しています。
そして床からの風景と階段を登って上から眺める風景ではまた違った趣があり異なった視点で楽しむことができます。上から落ちた紙は会期中そのままにしてあるためどんどん積み重なっていきます。なお白い用紙は閉館後にスタッフが補充しているとのこと。
その次の「after that.」ては闇に包まれた小さなスペースにキラキラと光るミラーボールが天井から吊るされています。この球体の表面を覆うのは鏡でできた無数の丸い時計でその秒針にもすべて鏡が装着されています。時計自体も動いておりミラーボールの回転と時計の動きにより不思議な空間が形成されています。偶然かもしれませんがこのミラーボールの形がコロナウイルスにそっくりで不気味な感じがしました。
その他、真っ白な壁しかない部屋の中に小さな時計があり秒針の先にはルーペが付いていて、それを覗き込むと円周率を書いた小さな文字が見えるという凝ったインスタレーションなどがあり観るものを楽しませてくれます。
今回は両方鑑賞して約1時間ほど。ランチタイムまで少し時間が余ったので庭園のベンチでゆっくりしていましたが風が心地よく最高の季節。豊田市美術館は建物自体もかなりセンスが良く撮影スポットとしてもいいロケ地だと思います。
おそらくコロナウイルスの影響だと思われますが「開館25周年記念コレクション展 VISION Part 1 光について / 光をともして」と「久門 剛史 − らせんの練習」は当初の会期から延長されて9月22日(火)までのロングラン開催となりました。ただし、6月22日(月)-7月17日(金)は全館休館となりますので訪問の際はご注意ください。
豊田市美術館に立ち寄ったらオススメのランチスポットは3つあります。まず1つ目は蕎麦つちや。ボリュームがある絶品の蕎麦をいただくことができます。また夜の旬の素材を生かした懐石料理が格段に素晴らしくしかもリーズナブル。このクオリティの料理はなかなか食べられません。夜はなかなか予約が取れないので行くなら早めに予約を入れておくことをオススメします。
今回は新メニューの「ごま鴨玉つけ蕎麦」をいただきました。「鴨玉つけ蕎麦」も美味しかったのですがさらに美味しくなっており本当に唸りました。
2つ目は讃岐うどんの木乃屋。特にかき揚げ天ぷらうどんが絶品。プリプリの海老が集まっているかき揚げは香ばしさと薄口のつゆと相まってこれも唸ります。ここのかき揚げ天ぷらうどんは間違いなく日本一。香川県に行ったことはありませんが(笑)その他、うどんと雑炊が一緒になった「雑炊うどん」もオススメの一品。
3つ目は麺屋よこじ。豊田市駅前ではなく少し離れた場所にあるので自動車でないと行けませんがここもめちゃウマ。最近はテイクアウトもはじめられたとのこと。
そして食後は元CafeBusNonのオーナーののんちゃんのカフェ「STREET COFFEE&BOOKS」が超絶オススメ。コーヒーが美味しいのはもちろんなのですがここのお客さんの大半はのんちゃんに会うことが目的で通われています。ワタクシもそのうちの一人ですが…(笑)
今回は久しぶりに訪れましたが相変わらず可愛くて癒やされました。ドリップコーヒーとアフォガート(アイスクリームにエスプレッソをかけたもの)をいただき、1時間ほどゆっくりと滞在していました。お客さんの数は固定客が来てくれるのでほぼ変わらないとのこと。いやはやすごいわ…。
営業時間は火曜日〜金曜日の10時〜16時なので土日休みの方は有給を取らないといけませんが、その価値は充分にあります。
以上、豊田市美術館と周辺のオススメランチスポットとカフェをお伝えしました。美術鑑賞は心に潤いを与えてくれますし、知識と教養がつき、カメラマンとしては構図の勉強になったりと得るものが多く、改めて必要だと実感しました。
名古屋市美術館はミュシャ展が中止になったため、しばらく閉館したままですがどうやら次は7月11日からになりそう。そして毎年恒例の東京の美術館鑑賞もそろそろなのでタイミングを見て訪れたいと思います。
ほな!おおきに!