なぜ余分なモノまで買いすぎてしまうのか?それは行動経済学に踊らされているかも







未来世紀ジパングで放映された行動経済学についての特集がとても興味深かったので、まとめてみました。人間は損得という判断だけではなく、情報や感情に流されて動いてしまいます。

本当に欲しいものや必要なものというわけでもないのに、つい手にとって買ってしまうことはありませんか?あなたが、つい買ってしまうのには行動経済学が関与しているのかもしれません。

冒頭はコストコからはじまり、ファストファッション、Amazonなどが紹介されており、それらにはいつくも共通する行動経済学が応用されていました。

サンクコスト効果

コストコは完全会員制。会費を支払ったため元を取ろうとして店舗に出かけてしまいます。Amazonもプライム会員という制度があります。過去に支出され取り消すことができない費用は、回収できないにも関わらず費用として意識されるため、本当は買う必要がないのに買ってしまうなど意思決定を歪める可能性があります。

 

アンカリング効果

高額なものを先に見ると他が安く感じてしまいます。コストコの入口に比較的高価な家電や2,000万円位上するジュエリーが置いてあるのはそのため。デパートの高級時計フェアなどもたいていこの手法を取り入れています。

 

返報性の原理

人間は好意を受けると「お返しをしなくては」と感じる。試食をすると、この原理が働き、つい買ってしまう。

 

空間を埋めたくなる

コストコのカートは通常のスーパーなどに比べると4倍近く大きい。人間はスペースがあるとつい埋めなくなるので余計なものまで買ってしまう。

 

極端回避性

メニューにAコース1,500円、Bコース2,000円、Cコース3,000円と3つあった場合、真ん中の価格を選んでしまう。これは極端なものを避けるという心理が働くため。

 

同調効果

コスタリカでは節水ステッカーを配布することにより、他の人と合わせなければと思う心理が働き、節水の効果があがっている。

 

私たちの周りは買わせようとするさまざまな仕掛けであふれています。セールなど、お得な情報が感情を左右し、本当は必要のないものまで買ってしまいます。

行動経済学は購買心理だけではなく、さまざまな問題を解消するのにも役立ちます。これらの手法はナッジと言われており、先進国のイギリスをはじめ、さまざまな地域で活用されています。ナッジとは、「背中を押したり、肘で軽くつつく」といった意味であり、選択肢をうまく設計・配置することによって、人の背中を押すように、人々に適切な選択をさせることやその手法を指します。

 

ナッジの一例

・肥満問題が深刻なイギリスでは、ハイシュガーの飲み物にPOPをつけることで、手に取ることをためらわせて、他の飲料を購入するようになった

 

・車のスピードオーバーを抑制するため、人間の目が入ったデザインのポスターを設置したら約10kmほど速度が下がった

 

・店舗のシャッターに子供や赤ちゃんの絵を描くことで軽犯罪や迷惑行為が約2割減少した

 

・タバコの吸い殻で簡単な投票をできるようにしたところポイ捨てが激減した

 

・階段をピアノの鍵盤の柄にしたところ利用者が増え、健康増進に繋がった

 

・電柱の下に鳥居を設置したら、ゴミの不法投棄が抑制された

 

・税金督促の封筒をカラフルなデザインにしたところ開封率が上がり、納付が進んだ

 

行動経済学は社会をいい方向に変えることもできますが、消費者を誘導し無駄な買い物をさせることにも使われています。本当に自分に必要なものは何なのか、よく考えてから買うように心がけませんか。

ほな!おおきに!