映画史を書き換える至高の179分!  映画評「ドライブ・マイ・カー インターナショナル版」







2022年の数々の映画賞を受賞した「ドライブ・マイ・カー インターナショナル版|がAmazonプライムビデオで公開されています。

数々のベストセラーを生み出してきた作家・村上春樹による、珠玉の短編小説「ドライブ・マイ・カー」。

妻を失った男の喪失と希望を綴ったこの作品に惚れ込み映画化を熱望、自ら脚本も手掛けるのは、いま世界が最も熱い注目を寄せる濱口竜介監督。

これまで、カンヌ(『寝ても覚めても』コンペティション部門出品)、ベルリン(『偶然と想像』銀熊賞受賞)、ヴェネチア(共同脚本作『スパイの妻』銀獅子賞受賞)など世界三大映画祭を席巻し、その名を轟かせてきました。

待望の最新長編作となる本作も見事、本年度のカンヌ国際映画祭で日本映画としては史上初となる脚本賞を受賞。

加えて、国際映画批評家連盟賞、AFCAE賞、エキュメニカル審査員賞の独立賞も受賞し、4冠獲得の偉業を果たしました。

これまで、圧倒的な脚本力と豊かな映画表現で、人間がもつ多面性や複雑な感情をあぶりだしてきた濱口監督。

原作の精神を受け継ぎながらも、「ワーニャ伯父さん」、「ゴドーを待ちながら」という時代を超えて愛されてきた演劇要素を大胆に取り入れ、ストーリーと映画内演劇が重層的に呼応しあう驚異的な物語を紡ぎだしています。

さらに広島・東京・北海道・韓国などのスケール感あるロケーションと、名手・四宮秀俊撮影による美しさと厳しさが溶け合う映像美は観る者を魅了し、物語へと引き込んでいきます。

主演の西島秀俊と妻役の霧島れいか、運転手役の三浦透子の演技が素晴らしく、独特の世界観にどっぷりとハマります。

179分という長編で、特にアクションシーンなどはありませんが、
飽きることなく、引き込まれていきます。

映画館で作品を見た方も、まだ観ていない方も、ぜひ「ドライブ・マイ・カー インターナショナル版」をどうぞ!

 


 
ほな!おおきに!