ユニバーサルサービスについて学んできた







昨年末から名城大学ナゴヤドームキャンパスで開催されている名古屋フューチャーセンターの講座に何度か伺っています。今回は小川昌代氏からユニバーサルサービスなどの話を聴いてきました。

ユニバーサルサービスには、公平性に関して次の「4つの条件」が必須となります。

・どこでも – 収益が上げられる都会のみならず、山村や離島などの田舎でも利用可能な地理的公平性
・誰でも – 身分を問わず、利用可能な社会的公平性
・負担可能な – 経済的公平性(採算のない田舎へ提供するにあたり、それを理由に安易な値上げをすることは許されない)
・均一なサービス – 技術的公平性(サービス提供レベルが均一であること)

まずは2000年に施行されたハートビル法の話から。バリアフリーは障がい者や高齢者にとってはとても大切。この法律ができてから建てられた建築物は基本バリアフリーな構造になっています。障がい者や高齢者はもちろん、介護する人にとってバリアフリーであるかどうかはとても重要になってきます。

ハートビル法とは直接関係ありませんが、地下街への階段の入口が上がっているのはなぜかご存じでしょうか。それは目の不自由な人が白杖で階段があると気づくため。段が上がっていれば、そこで判るので、間違って転落することがありません。今まで、全く気にしていませんでしたが、言われてから地下街の階段を見てみたら少し段があります。大雨のときに水が下に流れ込まないように段差を作っているという理由もあるようですが、目の不自由な方のためにこうなっているということを初めて知りました。

また視覚障害者のために電車は上り下りで到着の音楽や案内音声が男女で分かれていたりします。これも全く気にしていませんでしたが、確かに地下鉄などは行き先によって音楽が違っている路線がありました。

2005年、愛地球博が始まる前に市営地下鉄に働きかけ、地下鉄の駅にアルファベットと番号を付けるようになりました。駅名ではなく色とアルファベット&番号で駅名がわかるようになったことで、海外から来た外国人にも簡単に路線案内ができるように。番号がついて便利になったとは感じていましたが、こういった働きかけがあって導入されたということを知りました。

フレイルという虚弱な人を指す言葉を初めて聞きました。例えばシニアカーを引いてるような年配の方を指します。特に病気ではなくて、どこも悪くないけど、しばらく活動すると疲れてしまい、一人では行動が難しい人がこれからは一気に増えてきます。誰しも老いればフレイルになりますが、普段から鍛えることで、いつまでも元気に過ごすことができます。

続いて介護などの話を聴きました。

 

認知症についても教えてもらいました。認知症には大きく分けて4つとその他例外があります。

・アルツハイマー病

脳が萎縮することによる認知機能低下、人格の変化を主な症状とする認知症の一種であり、認知症の60-70%を占めます。アルツハイマー病にかかると徘徊が多くなります。これは記憶がなくなり、突然白い箱の中に入れられたような感覚になるため。そこから出たいという思いで徘徊します。そういう状況に慣れれば徘徊はおさまるため徘徊が始まったからといって慌てなくても大丈夫。2ヶ月ほど経てば落ち着きます。

・レビー小体型認知症

レビー小体という、神経細胞に出来る特殊なたんぱく質の増加が原因となります。実際には存在しないものが見えたりします。

・前頭側頭型認知症

脳の一部である「前頭葉」や「側頭葉前方」の委縮がみられ、他の認知症にはみられにくい、特徴的な症状を示します。物事の順序がわからなくなるのが大きな特徴。一番わかりやすいのは料理ができなくなること。その他、ズボンの上にパンツを履くなどの行動も特徴的な動作のひとつ。

・脳血管性認知症

脳の血管障害でおきる脳梗塞や脳出血によって起こる認知症。脳血管性認知症は認知症全体の約20%を占め、男性の方が多く発症しています。脳血管性認知症になると身体の麻痺が出てきたり、記憶できなくなります。

その他、若年性認知症や、外傷性の認知症、ピック病などもありますが、上記4つに比べると患者は格段に少なくなります。

認知症になると、いずれも記憶障害が出てきます。何をするか忘れ、そして記憶を巻き戻せません。人間誰しも、「あれ?何をしに来たっけ?」ということはありますが、たいてい少し考えたら思い出せます。しかし認知症になるとそれが思い出せず、記憶がずぼっと抜け落ちます。順序としては「いつ、どこで、だれが、なにを、どうした」の順で忘れていきます。

親が認知症になったのではと気づかされるひとつの事象として、料理ができなるということが挙げられます。以前は料理が上手で美味しかったのに、味が著しく落ちたり、料理ができなくなったりしたら注意が必要。なお、認知症になると冷蔵庫の中が卵ばかり、豆腐ばかりなど同じものだらけになります。必要だということは覚えているのですが買ったことを忘れるため、どんどん増えて同じものばかりになります。もし、両親と一緒に住んでいて冷蔵庫に同じものがたくさん入っていたら要注意。

記憶力は年々衰えますし、記憶することもだんだん難しくなり、記憶の容量も減っていきます。記憶容量を増やすには人と会ったりして脳に刺激を与えることが大切。自宅に引きこもるのではなく、外に出て色々なものを見たり聴いたりして楽しむと脳が活性化され、記憶がよくなります。

歳を取るにつれ、手が挙がらなくなってきます。これは日頃の訓練でかなり改善されるので、キッチン用品は上の方に置いておくなど意識することが大切。目から上に手を上げる運動を毎日行いましょう。ラジオ体操はうってつけ。今はyoutubeなどにラジオ体操の動画があるので、いつでもどこでも体操することができるので、一日一回、ラジオ体操をしてみてはいかがでしょうか。

もし、家を建てることがあったら、トイレは横に広くしてはいけません。縦に広いのはいいのですが、横に広いともし倒れそうになった時でも手を突くことができません。歳を取ったら壁に沿って歩けるような家がいいでしょう。

温度差ショックで心臓発作を起こすことがあるので、風呂に入るときは事前に蓋を開けて浴室内を温めておくこと。浴室から出た所も小さなヒーターなどで温めておきましょう。

健康のためには体型はちょっとぽっちゃりぐらいがいい。痩せすぎは免疫力とバッファがないため、すぐ病気になります。最近の若い女性は痩せすぎているので、もう少しカロリーのあるものを食べて運動して適正体重にしましょう。

他人から見えない障害として聴覚障害があります。ぱっと見ただけではわからないので障がい者として認識されにくい。最近は骨伝導補聴器が開発され、聴覚障害になったとしても聴こえるようになることもある。

 

簡単にざっくりまとめてみました。全く知らないことがたくさんあり、いつになっても勉強は大切だと改めて実感しました。親は70歳を過ぎ、介護もそろそろ必要になってきますので、ユニバーサルサービス講座を本格的に受講してみようかと考えています。

ほな!おおきに!