名古屋市美術館開館30周年記念「至上の印象派 ビュールレ・コレクション」へ行ってきた







名古屋市美術館開館30周年記念として開催されている「至上の印象派 ビュールレ・コレクション」へ行ってきました。昨年末に開催されたシャガール展のときに前売り券を購入し、今か今かと楽しみに待っておりました。美術作品の中でも印象派の作品が一番好きで特に今回のビュールレ・コレクションの中にはなかなか目にすることのない作品がたくさんあり、名古屋に来るのを心待ちにしていました。

スイスの大実業家エミール・ゲオルク・ビュールレ(1890-1956年)は、生涯を通じ絵画収集に情熱を注いだ傑出したコレクターとして知られています。主に17世紀オランダ絵画から20世紀の近代絵画に至る作品、中でも印象派・ポスト印象派の作品は傑作中の傑作が揃い、そのコレクションの質の高さゆえ世界中の美術ファンから注目されています。 この度、ビュールレ・コレクションの全ての作品がチューリヒ美術館に移管されることになり、コレクションの全体像を紹介する最後の機会として、日本での展覧会が実現することとなりました。

今回の展覧会では、近代美術の精華といえる作品64点を展示し、その約半数は日本初公開。絵画史上、最も有名な少女像ともいわれる《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》、スイス国外に初めて貸し出されることになった4メートルを超えるモネ晩年の睡蓮の大作など、極め付きの名品で構成されるこの幻のコレクションを堪能できます。

今回、鑑賞してきて個人的に気に入った作品を紹介します。

第1章 肖像画ではジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルのアングル夫人の肖像

第2章 ヨーロッパの都市ではアントーニオ・カナールのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂

第3章 19世紀のフランス絵画ではピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌのコンコルディア習作

第4章 印象派の風景ーマネ、モネ、ピサロ、シスレーではアルフレッド・シスレー のブージヴァルの夏

第5章 印象派の人物ードガとルノワールではピエール=オーギュスト・ルノワールのイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)

第6章 ポール・セザンヌでは赤いチョッキの少年

第7章 フィンセント・ファン・ゴッホでは日没を背に種まく人

第8章 20世紀初頭のフランス絵画ではポール・ゴーギャンの肘掛け椅子の上のひまわり

第9章 モダン・アートではジョルジュ・ブラックのヴァイオリニストとパブロ・ピカソのイタリアの女

第10章 新たなる絵画の地平ではクロード・モネの睡蓮の池、緑の反映が気に入りました。

ルノアールのイレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢やモネの睡蓮はもちろん、アントーニオ・カナールのサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂が超絶技巧の精細なタッチで息を呑む凄さ。単眼鏡で拡大して見るとその凄まじい技術をさらに感じることができます。この作品をじっくり見るためだけに単眼鏡を買ってもいいと思えるほどの芸術作品。

 

なお、モネの睡蓮は撮影可能(フラッシュは不可)なので、ここで記念撮影ができます。

 

出口付近にはフォトスポットがありますので記念撮影はこちらでどうぞ。

 

HPからの引用になりますが、みどころを紹介します。

見どころその1
至上の印象派コレクション

ドラクロワ、ドガ、マネ、ルノワール、ファン・ゴッホ、ゴーギャン、モネ、セザンヌ、マティス、ピカソ…「この絵はビュールレ・コレクションにあったのか!」と驚く、豪華な作家たちの競演が繰り広げられます。特に印象派・ポスト印象派の作品は傑作揃いで、絵画史上、最も有名な少女像ともいわれるルノワールの《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢(可愛いイレーヌ)》とセザンヌの《赤いチョッキの少年》は印象派の中でも人気の高い両巨匠の「最高傑作」として知られています。

 

見どころその2
全て、一人のコレクターが集めました

ドイツに生まれ、スイスで後半生をすごしたエミール・ゲオルク・ビュールレは、第一次・第二次世界大戦を経験し、実業家として成功して富を築きました。彼は心の拠りどころとして美術作品を収集し、コレクションはチューリヒにある邸宅の隣の別棟に飾られました。彼の死後、別棟は美術館として一般公開されましたが、スイス国外にコレクションがまとまって公開されたのは過去に数回のみ。2008年、世界的に報じられた4点の絵画盗難事件以来、一般公開が規制され、2020年にチューリヒ美術館に全コレクションが移管されることになりました。今回はビュールレのコレクターとしての全体像がみられる最後の機会。

 

見どころその3
出品作のおよそ半数が日本初公開

ビュールレ・コレクションには、モネ、ゴッホ、セザンヌなどの傑作が数多く含まれ、近代美術の精華ともいえる出品作品、約60点の半数は日本初公開。なかでもモネの代表作の一つ、高さ2メートル×幅4メートルの大作《睡蓮の池、緑の反映》は、これまでスイス国外には一度も出たことがありません。日本人がまだ見たことのないモネの「睡蓮」。門外不出といわれたモネの最高傑作をこの機会にぜひご覧ください。

入口付近には小学生向け、中学生向けのパンフレットが用意されおり、とてもよくできた内容で楽しめます。特に中学生向けのパンフレットはビュールレ・コレクションのポイントを把握するには最適なので、ぜひ手にとって読んでみてください。

小学生向けパンフレット
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中学生向けパンフレット
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今回の展覧会とグローバルゲートのレストランがタイアップし、様々なメニューを提供しています。作品の余韻に浸りながら、食事するのもいいかもしれません。

 

展覧会名
名古屋市美術館開館30周年記念
至上の印象派展 ビュールレ・コレクション

会期
2018年7月28日(土) ~ 9月24日(月・休)

開館時間
午前9時30分~午後5時
(毎週金曜日は午後8時まで)
※入場は閉館の30分前まで

休館日
毎週月曜日
(ただし8月13日、9月17日、24日は除く)、9月18日(火)

会場
名古屋市美術館
〒460-0008 愛知県名古屋市中区栄2-17-25
芸術と科学の杜・白川公園内

 

会期は9月24日(月)まで。8月11日(土)は閉館後絵画に囲まれながらクラシックコンサートがあり、これも超楽しみ。時間を見つけて、さらにもう一回訪れたいと思います。

ほな!おおきに!