今年の10月に消費税が8%から10%に増税される予定ですが足元の景気は決して良くありません。先日発表になった物価変動を除いた実質GDP(季節調整値)は、前期(18年10~12月期)より0.5%(年率2.1%)のプラスでしたがGDPの個別項目を見ると、日本経済を支える主要項目はいずれも低調。民間消費は前期比0.1%減、設備投資は0.3%減、そして輸出は2.4%減。輸出を対をなす輸入は、国内での消費や生産活動が低調だったため、前期比4.6%減となりました。
1~3月期GDPを押し上げた要因は輸入の大幅減少したため。輸入はGDPの控除項目だから、他の条件を一定として、輸入の減少はGDPの増加につながります。控除項目(輸入)こそがGDPを押し上げたという意味で、1~3月期のGDPの伸びは「引き算型」といえます。
実質GDPが0.5%増えたのは数字のトリックであり、景気は悪化傾向にあります。今後も良くなる材料は少なく、消費税をたとえプラス2%でもこのままの状態で増税すると間違いなくさらに景気が冷え込みます。
2%の税収アップは必要かもしれませんが、もっと無駄を削ればいとも簡単にこの程度の金額はカバーできます。ワタクシが総理大臣ならキャッシュレス決済のポイント還元キャンペーン はそのままで、10月の増税を見送ります。これにより消費者の購買意欲が高まり、消費の伸びが期待できます。
現金での支払いは紙幣や硬貨の製造費用はもとより、現金を移動させる際にかかる運搬費用や警備にかかる費用など膨大なコストがかかります。キャッシュレス決済にすれば、これらが全てゼロになりますので、環境にも負荷がかからず、小売・流通業は現金決済にまつわる費用が一気に削減できます。
先日、韓国の釜山へ旅行したときは露天の店以外はどんなに小さな店舗や飲食店でもキャッシュレス決済ができ、便利さを痛感しました。逆の捉え方をすればインバウンドで日本へ旅行に来ている外国人はとても不便だと感じているはず。
日本は様々な分野ですでに後進国になりつつありますが、キャッシュレス決済でも相当後塵を拝してます。すべて現金で支払いをしている人とすべてキャッシュレスで決済している人では還元率に相当差があります。現金で支払うと還元率はゼロですが、クレジットカードならポイントやマイレージが貯まりますし、今年一気に普及しそうなPayPayやLINEPayなどは顧客獲得競争のため、20%~70%という破格のポイント還元キャンペーンを行っています。
今年に限って言えばおそらく、現金主義派とキャッシュレス主義派では年間で10万円以上の差が生まれます。言うまでもなくキャッシュレス決済の方がお得になります。先日、Facebookの投稿で「クレジットカードやスマホ決済は不正使用がが怖いので現金しか使いません。ネットで買い物するときもすべて代引きです」という方がおられました。お金のリテラシーがないとこうなってしまうんだと驚きとともに今後は情報格差が収入格差に直結すると実感しました。
色々脱線しましたが、言いたかったのは消費税増税は見送って政府としてキャッシュレス決済で5%程度のポイント還元を行えば、景気は上向きになるということ。果たしてワタクシの思い通りになるでしょうか…。
ほな!おおきに!