一般的に知られている伝統はどのぐらい経てば伝統になるのか?書評「日本の伝統の正体」藤井青銅著







以前、大竹まことゴールデンラジオ!に藤井青銅氏が出演されており、この「日本の伝統の正体」についてお話をされておりました。とても興味深い内容だったのでその場ですぐポチりました。いちいち本屋で探さなくていいのでAmazonは本当に便利。

 

読んでしばらく放置してありましたが、先日引っ越しするため本を一気に処分することになり、そのうち600円以上で売れる本はメルカリで出しました。すでに半分以上が売れ、この「日本の伝統の正体」も売れたため再度読み直し書評を書こうと思った次第。

 

日本の伝統は意外と新しいものが多く、結構騙された感があります。有名なところでは夏場に鰻を食べる「土用丑の日」やバレンタインのチョコ、恵方巻きなどがあります。土用丑の日は夏場、美味しくなくて売れない鰻をどうにか売る方法を考えた平賀源内が「土用丑の日」を作り、それから始まった風習になります。鰻は圧倒的に冬場の方が美味しいので夏場は鰻を食べるのはあまりオススメしません。

バレンタインにチョコレートを贈る習慣はメリーチョコレートが言い出したものでバレンタインに女性から男性にチョコレートを贈るのは日本だけ。最近はそれをも超越して美味しいチョコレート食べる期間みたいなことになっています。

恵方巻きはもともと遊郭で芸者遊びの一環として行われていたものをセブンイレブンが広めたという経緯があります。

その他、アロハシャツはもともとハワイにあったものではなく、日本人が作りあげたということや、ロシア土産で有名なマトリョーシカ人形も日本からロシアに渡り、それが広まったということなどが紹介されていました。

遥か昔から「伝統」と思われていた事象が意外と最近にわかに作られたものだということがわかりました。これを知ったからといってどうなるものでもありませんが、こういう一見どうでもいいことを知るということが教養になるのだと思います。

「日本の伝統の正体」はその伝統がどのぐらい前から行われていたものなのかを分かりやすく解説してくれており気軽に読書を楽しむのにお薦めの一冊。秋の夜長にぜひ!

内容紹介 Amazonより

内容紹介
★「初詣」は江戸時代になかった?
★「江戸しぐさ」のいかがわしさ
★神前結婚式は古式ゆかしくない ★「古典落語」は新しい?
★恵方巻は、本当はいつからあったのか?
★アレもコレも「京都マジック」!
★初めて「卵かけご飯」を食べた男とは?
★サザエさんファミリーは日本の伝統か? ……

一見、古来から「連綿と続く伝統」のように見えるしきたりや風習・文化。しかし中には、意外に新しい時代に「発明された伝統」もある。もっともらしい「和の衣裳」を身にまとった「あやしい伝統」と、「ほんとうの伝統」とを対比・検証することで、本当の「ものの見方」が身につく一冊。 フェイクな「和の心」に踊らされないための、伝統リテラシーが磨かれる!

 


ほな!おおきに!