北欧の大人の学校「フォルケホイスコーレ」について学ぶイベントに参加してきた







先日お友達になった方がFacebookで「第1回『扉をひらくとき』北欧フォルケホイスコーレに導かれて」というイベントをシェアしていました。「フォルケホイスコーレ」という聞き慣れないというか初耳なキーワードに惹かれ参加してみることに。今年は100の新しいことにチャレンジするという目標も掲げておりその一環でもあります。

主催者の加藤さんの人脈が太いのかイベントは程なく定員の30名が満員御礼になりました。新型コロナウイルスにより各種イベントが意味なく中止となる中、主催者の正しい判断により無事開催され参加してきました。

 

今回、登壇されたのは安井早紀さん。リクルートに入社後、旅行で訪れたデンマークに惚れ込み何度も行くうちに「フォルケホイスコーレ」という万人が受けられる“人生の学校”に出会い感銘を受けられました。日本に設立したいという思いが募り、とうとう2021年にもうひとりのパートナーである遠又香さんと北海道に学校を創設することになりました。

「フォルケホイスコーレ」は全く聞いたことがなかったのですがオランダ語で「フォルケ」=「人民・民衆」、「ホイスコーレ」=「学校」という意味ということを知りました。「フォルケ」はドイツ語ではフォルク(フォルクスワーゲンもおなじみ)、「ホイスコーレ」は英語の「ハイスクール」から来ており、「ハイスクール」→「ホイスクール」→「ホイスコーレ」バンザイ!みないな覚え方をすればいいと仰っていました(笑)

「フォルケホイスコーレ」があるデンマークは北はノルウェー、東はスウェーデン、南はドイツに隣接している北欧の国。面積は約4万K㎡と九州と同じ、人口は560万人と北海道と同じぐらいで面積も小さく人口も少ない国ですが一人あたりGDPは世界10位(日本は26位)、幸福度は世界2位(日本は58位)というとても素晴らしい国家。

税金は高いものの、教育や老後のための資金として使われており安心して暮らせる環境が整っています。税金をミサイルや戦闘機に何千億円も使うどこかの国と違って国の将来のために正しく使われており羨ましい限り。

そしてデンマーク特有の事柄として「自分らしくいられる教育」が受けられること、「職業に貴賤がなくて、何度でもやり直せる社会」が成り立っていることが挙げられます。

自分らしくいられる教育の仕掛けとして下記の項目が掲げられています。

1.学年は年齢ではなく、成熟度で選ぶ
2.“競争なし” “受験もなし”→非競争的 大学選択はポイント制、相対評価ではなく絶対評価
3.「幸せ」なくして学びなし

 

また職業に貴賎がなく何度でもやり直せる社会が構築されています。具体的には学歴と給与が比較的相関しません。つまり学歴と社会的地位は関係がないため医者だから偉いとか事務職だから偉くないということがありません。

 

その他年間14日間の教育機会への参加など、社会人の教育を受ける権利が保障されていて、20代の3人に1人が何らかの成人教育を受講しています。企業側としては「教育の機会を与えた人が転職してしまうかもしれない。でも、どの雇用現 場でも同じように社会人教育を行えば、優れた人材が労働市場に増えるこ とにつながる」とのこと。

日本でもようやく複業解禁の企業が出てきましたが、ほんとどの企業は未だに複業(副業)禁止となっており人材の流動性が硬直化しています。どんどん人口が減る人口オーナス期の局面では一日も早く複業解禁にして流動性を高める必要があります。そうしないと労働力が特定の分野で確実に枯渇します。

デンマークでこういった社会が実現できる背景には高税収により福祉の充実した国家であること、「労働市場の流動化」「手厚い失業給付」「積極的労働市場政策」のゴールデン・トライアングルと言われるフレキュリティ政策が行われていることが挙げられます。

さて、本題の「フォルケホイスコーレ」は人生の岐路に立ったときに過ごす「人生の学校」。成人になってからでも通うことができ「余白」「生きた言葉」「多様性」という3つの特徴があります。「余白」は自分の人生について丁寧に考えられる余白の時間の提供 、「生きた言葉」は座学中心ではなく実践中心・プロジェクト・対話重視の生きた言葉の授業、 「多様性」は17.5歳以上であれば誰でもいつでも入学可能であるということ。

 

 

現在の「フォルケホイスコーレ」の実態はデンマークで70校強、むかしは若者中心でしたが、1週間からのショートステイプランを作ってからは社会人やリタイヤ後の年配層も増えています。毎年5,000名~7,000名が参加しています。費用は4か月滞在の場合、寮宿泊費&食費込みで40万円となっています。そのうち80%が奨学金として国が負担してくれます。実質8万円で4ヶ月滞在できることになります。

教科は文学、歴史、絵画、音楽、自然科学、政治経済、工芸、美術、哲学、心理学、エコロジーと自然エネルギー、環境開発、ジャーナリズム、身体性、福祉など主要5教科とは違った学問を学びます。

 

「フォルケホイスコーレ」に通っている人は年齢、背景、国籍もばらばらで共に生きることを応援しあう第二の家族のようなつながりを得ることができます。余白の時間がたっぷりあり、コーヒー片手に自分の哲学や考えを語りあいながら学びも遊びもとにかく楽しく過ごせます。

 

「フォルケホイスコーレ」の存在意義は個人のためでもあり社会のためでもあります。能力開発ではなく、”OSをアップデートする”大人の学び直しの場であり、ここで得られるのは「寛容さ」と「力強さ」。今の日本が失っている大切なことであり、これらがないと今後社会や経済の発展は厳しいでしょう。

 

 

今回の話を聴いて俄然「フォルケホイスコーレ」に通いたくなりました。今年、48歳になりちょうど人生の折り返し地点を迎えています。社会人になってから今の会社しか勤めておらず、そろそろ他の世界も知る頃かも…とも考えています。

転職、もしくは独立して起業する際は続けてすぐ働くのではなく、「フォルケホイスコーレ」で2,3ヶ月学んでからの方がいいような気がしています。すぐに動けるかどうかわかりませんが、情報のアンテナを立てつつ行動していきます。

まずは貯まったマイルでデンマークに行ってみようかな…。

 

安井さんからの告知

【春のショートラーニングツアー@北海道東川町】
これから創る学校のエッセンスを詰め込んだツアーを2020年5月4日(祝・月)から5月6日(祝・ 水) 2泊3日で実施予定です。
東川町を満喫しながら、人生の学校について一緒に考えてくださることに興味がある方、是非よろしければ^^

【上記、日程は合わないけど何か関わりたい!】
ただただ、ありがとうございます。
「この日程は合わないけど次のツアー日程が出たら声かけてほしい」
「分科会行けなかったから改めて分科会の内容を聴きたいわ」
「こんなイベント一緒にやりましょう!」
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ほな!おおきに!