毎晩21時からベストセラー作家でコンサルタントの美崎栄一郎さんが主催する空の塾というオンラインサロンにZoomで参加しています。塾生は70名を超えました。月額料金は無料で入会金1万円のみという良心的な価格設定。
毎回、20〜30名ぐらいの方々がZoomで繋がり様々なテーマで一緒に学んでいます。先日、塾生の知人に加藤雅子さんというアフリカのルワンダ在住の方がおり、前日に予習をした上で話をお聴きしました。事前情報としては「イミゴンゴという牛糞アートを売っている女性」ということしか知らされておらず「アフリカ」「大虐殺があったルワンダ」「牛糞アート」というキーワードからサバイバーな強面の女性をイメージしていました。勝手に色黒でドレッドヘアーな女性を想像していたのですが登壇されたのは予想とは全く反対?のエレガントな美女。滝川クリステルを彷彿させるような美貌&透明感のある美声で参加した方は一様に驚かれたのではないでしょうか。
美崎栄一郎さんが質問をしながら対談形式で進行し、その後に塾生のみなさんが気になることを質問するという形式で約1時間お話していただきました。全く未知の世界で、新しい知識をすることができてワクワクしっぱなし。空の塾では知らないことを学ぶのは楽しいということを改め実感しています。いやはや何よりの贅沢かもしれません。
では加藤さんとの質疑応答を抜粋してご紹介します。Q&A形式ではなく加藤さんの一人称視点で記述しています。
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ルワンダに住み始めたきっかけは夫の仕事についてきたということ。某IT企業がアフリカ事業部を立ち上げルワンダオフィスを作り、夫はそこで働いていました。アフリカ事業部は2年ぐらいで無くなり今は違う仕事をしていて夫は単身赴任をしています。
大学2年生の時に旅行でケニアを訪れた際にダダハマりして、将来アフリカに住んでみたいとずっと思っていたのですがどうやって住めばいいかがわからず…。その当時に付き合っていた彼(今の夫)が自分と結婚したいというので「それならアフリカに仕事を作って」と軽く言ったら西アフリカのガーナで仕事を見つけてきました。結婚した後、転職して某IT企業へ就職し一緒にアフリカに住めることになりました。
ケニアにハマった理由は言語化するのは難しいですが大学でアフリカのいい面にスポットを当てる授業に出たことがきっかけで実際に訪れてみて感動しました。
アフリカは携帯電話番号でキャッシレス支払いができ、端末に電話番号を入れると支払いが完了するという仕組みになっています。支払いが滞ると着信はできても発信して通話はできないためワン切りでの着信がよくあります(笑)
ルワンダの産業としてはコーヒーと紅茶の生産が主で、首都以外の地方都市ではお金を使わずに生活できる環境が整っています。みんな牛や豚などの家畜を飼っていて、農業で自給自足しているので食べるものには困りません。コロナでロックダウンされても農村部は全く生活が変わっていません。都市部の人はお金が無くなると食べるものが無くなりますが、農村なら助け合いでなんとか生活していけます。
海外の援助で井戸が作られたりしても当初は綺麗なのですがメンテナンスをしないため内部が錆びていたり不衛生な所が多く飲水としては適していません。
ルワンダの食生活は1日1食の人もいれば2食の人もいます。必要な時に食べるという生活をしているので積極的に1食にしているという訳ではありません。困窮して食べられないという人はそう多くはありませんが、割合として都市部に多いような気がします。ルワンダ料理という独特の料理はほとんどなく、近隣諸国と同じような一般的なアフリカ料理になります。
中国の影響は大きく、コロナ感染の際の支援も早く助かっています。特にジャックマーの存在が大きく、国境が閉まった瞬間に医療用の資材などをどっさり寄付してくれました。ルワンダはIT立国を目指しているため、ジャックマー率いるアリババは国と深い関係にあると思われます。
中国とルワンダとのつながりが強く、アジア人はひとくくりにされているため日本人でも偏見がまったくありません。他の近隣諸国ではアジア人というだけで石を投げられたり罵声を浴びせられたりすると聞いていますがルワンダに関してはそういうことが全く無くありがたい限り。
街中の治安は素晴らしく良くて安心して過ごせます!ジェノサイド(大虐殺)がありましたがその前は本当に平和な国で国民自体が本来平和主義者な人が多く、穏やかで静か。街中で喧嘩や口論をしているのを見たことがなくみんな優しい。
美容室はサロンによってかなり違います。男性用のほんとどのサロンはハサミではなくバリカンでカットします。男性は基本丸刈りでありサンプル画像を元に近い髪型にカットします。男性と女性のサロンは全く違います。
アジア人の髪質に慣れている美容師のいるところに行かないととんでもない髪型にされます。とりあえず短ければいいでしょ?というような意識なので、こちらから相当指示しないと思いがけない髪型にされるので注意が必要。以前、お椀のような髪型にされてから細かく指示するようになりました。
名産品としてはサイザル麻で編んだバスケットのカゴが有名。麻を染めてから編んでおり色をいちいち変えながら編んでいくため時間がかかります。
アガセチェという伝統工芸品があり草を編んで作られています。写真のものはサイズを小さくした模倣品であり本物はもっと大きいサイズになります。
嫁入りの時に作り方を習って結婚式の時に豆や芋などをどっさりいれて結納品としてプレゼントするという習慣があり、色々な柄やパターンがあります。
今の仕事はルワンダの伝統工芸を調査するという仕事や子牛の糞を使った「イミゴンゴ」というアートの調査活動をしています。その調査結果を日本で展示会という形で発表しています。
「イミゴンゴ」は幾何学模様を子牛の糞で描くアートになります。子牛の糞に灰を混ぜて作っていくギサカ王国(今はない)の伝統アート。アフリカでは人を招く時にいかに喜んでもらうかという考えがあり、元々はその一環としてインテリアを素敵にするために作ったと言われています。
昔は壁に直接描いていましたが、今は木の板に塗っていくためどこにでも置けるようになりました。伝統的なパターンが60種類ぐらいあり、最近開発されたモダンな柄が20種類ぐらいあります。重量はとても軽く、木枠で作られているのでフックで壁に留めることができます。
牛糞で作られていますが灰と混ざっているためニオイはほとんどありません。鼻を近づけると畳のような香りがします。使われている色は白、黒、赤、灰色が伝統的な4色。昔は塗料がなかったので自然から取れる赤土やカオリン、ドロなどで配色していました。作っているのはすべて女性で年配の方がメイン。最近は、カフェやホテルなどに飾られたりお土産として販売されることが多く人気があります。
昨年、日本でクラウドファンディングで資金を集めて展示会を行いました。2月に渋谷で開催し、帰国した翌日にルワンダの空港が封鎖されたため本当にギリギリのタイミングでなんとか戻ることができました。
購入したい場合は運営しているサイトで承っています。オーダーメイドで作成することもでき、その場合は自画像の写真を送っていただくと造り手がそこからインスピレーションを受けて、その人にあった作品を作り上げます。特に瞳がよくわかるような写真を送っていただくようにお願いしています。
物価は公立の学校の先生の給与が月額4千円ぐらい。ルワンダの低所得者層が住んでいる家は月の家賃が2,000円ぐらいですが電気や水道がなかったりします。電気や水道が引かれている家だと8,000円から1万円ぐらい。外交官や駐在員などの外国人が住むようなセキュリティが高い家は急に金額が上がり25万円ぐらいになったりします。
日本にいる時は外資系のホテルに勤務していました。元々観光に興味があったのですが就職したのはディズニーランドの近くにあるホテルで宿泊するほとんどのお客様がディズニーランド目当てで、そういう心持ちで働いていました。
ある日、海外のお客様が来て「この周辺のオススメは何?」と聞かれた時にディズニーランドぐらいしか出てこなくてホテルがある浦安市や舞浜周辺の情報を全く知らないことに気づいて愕然としました。それから近隣のおすすめスポットや文化などに興味を持つようになり、ホテルを辞めてアフリカへ移住した後もホテルへ勤務するのではなく現地に根付いた文化や伝統工芸を知りたいと思いイミゴンゴを扱うようになりました。
首都のキガリでは50%ぐらいは英語が通じますが地方へ行くとほぼ通じないので通訳を付けて会話をしています。昔はベルギーに統治されていたのでルワンダ語の他、95%の人はフランス語を話せるのですが10年ほど前に政府が「公用語は英語にします!」と言い出し、それから学校で英語を教えたり、役所はすべて英語にシフトしていきました。大変だったと思いますが平和思考の国民性もあり英語が定着してきました。
住まいからは遠くにキガリ市内のホテルなどが見えます。かの有名な「ホテル・ルワンダ」の舞台になった「ミルコリン」というホテルを望むことができます。周辺にはマリオットホテルほかラディソンブルーホテルなど外資系の高級ホテルが進出しています。
ゴリラ観光では間近でゴリラを見学することができます。こちらが敵意を出さない限りは襲ってくることはありません。他のエリアではサバンナのような感じでキリンやゾウを見ることができますがツェツェバエがおり気をつける必要があります。
ただし現状は国境がすべて封鎖されてるためゴリラ観光はストップしています。空港もすべて閉鎖されており、元々ルワンダ在住の人で海外に取り残されている人だけは戻ってこれますが、海外と行き来できない状態が続いています。大陸の中央部にあるためモノを運ぶには不利な立地なのでICTと観光に力を入れているためアフリカの中では比較的裕福だと思います。
最初にアフリカを訪れる国としてはルワンダは治安もよく、観光も充実しているのでとてもオススメ。日本からの直行便はなく、カタール航空で中東のドーハでトランジットしてキガリ空港まで約23〜27時間ぐらいかかります。
以上、対談、質疑応答の様子をお伝えしました。加藤雅子さんはnoteでブログを書かれているほか、stand.fmというネットラジオで「風と洞 / かぜとあな」を配信をされています。声がステキで毎晩寝る前に聴くのが日課になりました。ただし、このアプリは1話が終わっても止める機能がなく永遠流れ続けるので、30分ぐらいのタイマーが欲しいかな…。加藤さんの穏やかで透明感のある綺麗な声を聴いていると眠たくなり、ほぼ寝落ちします。そのうちアップデートされることを願っています。
ルワンダまでの航空券を調べたところ往復で約16〜18万円、ワタクシが貯めているANAのマイルでは使うことができないためほぼ実費で行かなくてはなりません。ホテルはマリオットホテルがあるためアメックスSPGのポイントで宿泊できるので無料ですが食事代諸々含めると一人20万円ぐらいは必要になります。現在、コロナの影響で空港が封鎖されているのでしばらくは行けそうにありませんが、ある程度落ち着いたら旅行先の候補の一つとして頭に入れておきたいと思います。
イミゴンゴはとても気になりますが、2,3枚揃えようとすると、そこそこの価格になります。VLOGカメラやスイッチャー、ミキサー、マイクなど配信系の機材を色々買って散財してしまったので、しばらくは節約の日々を過ごさなくてはなりません。コロナの影響で冬のボーナスは全く期待できないので、複業解禁になってがっつり稼げたら購入したいと考えています。はてさていつになることやら…。
最後に遥か地球の裏側から登壇してくれた加藤さんと主催の美崎栄一郎さん、そして加藤さんを紹介してくれた西すなおさんに感謝いたします。知らないことを学べるのは何よりの贅沢。本当にありがとうございました!Zoomで話していると日本にいる他のメンバーと全く変わりなく、技術の進歩にも感謝しなければなりません。いやはやいい時代になりました。
空の塾はクローズドのオンラインサロンになっており美崎栄一郎さんの知り合いか塾生の紹介であれば入塾できます。入会金1万円だけで利用できるのはもうまもなく終了とのことなので興味を持たれた方はぜひ。過去の動画はほぼ閲覧できるようになりますので、それだけでも価値があるかも。
ほな!おおきに!