書評 「残業ゼロの仕事力」吉越浩一郎著







珍しく図書館で借りた1冊。無料で本を読むとあまり身にならないので本はできるだけ買うようにしていますが、図書館に行くとアマゾンや本屋では見つけられない本に出会うので時々通っています。わざわざ図書館に行って読みたい本を検索し、書棚から借りる事はありません。借りるのは「本日返却された本」のコーナーか図書館が企画特集しているコーナーに置いてある本のみ。

今回紹介するこの本は「本日返却された本」の中にあり、手に取って借りてきました。ではいつものように付箋を貼ったポイントを紹介していきます。

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残業ニッポンの現実

仕事は、「決められた就業時間内で行う」というのは、世界の常識です。ところが、日本のビジネスパーソンは、そんな常識があることすら知らない人が多いように思われます。

残業が「問題解決」を遅らせる
「会社にとって必要だし、社員も納得しているのだから、残業があるのは仕方がない」。多くの経営者が口にするのがこの理屈です。でも、これは明らかに間違っています。なぜなら、残業は会社にとって「善」どころか、経営にマイナス影響を及ぼす「悪」ものだからです。残業は会社や社員の抱えるいろいろな問題を隠蔽してしまいます。つまり問題を顕在化し改善する絶好の機会が、残業によって奪われてしまうのです。

「デッドライン」がスピードと密度上げる

残業が常態化している会社の社員は、「与えられた仕事は何時間かかっても仕上げるのが責任ある姿勢だ」と信じていて、最初から、「就業時間内で仕事を終わらせよう」と言う気持ちなど全くないのが普通です。仕事を指示する上司も、「なるべく早く」とか、「できたら持ってこい」と言うように、期限を厳格に示していないことが多い。そこで、仕事には必ずデッドラインをつけ、さらにそれを会議の席上で発表して、守らざるを得ない状況を社内に作り、そのうえで残業を禁止するのです。

「問題がない」会社が危険ゾーン

仕事をしていれば、毎日のように大小様々な問題が発生します。逆に、「何も問題が起こらない会社や職場」というのは、きわめて危険な状態にあると思った方がいいでしょう。そのうち解決策を考えればいい、と問題をそのままにしていると、まだ何もしていないと言う思いがいつまでも頭を離れず、しかも、その黒雲のような思いが心を面積が、徐々に広くなっていくのです。そして、気がつけば、問題を見つけたときにはかろうじてあったらチャレンジ精神や解決への意欲も失せ、あるのは義務感だけ、ということにもなりかねません。

「デッドライン」ですべてが決まる

覚えておいてください。問題解決のみならず、あらゆる仕事をする上で、デッドラインほど重要なものはほかにないのです。デッドラインは延長が当たり前の「締め切り」などとは全く異質なものです。

人間の仕事のキャパシティーは、「能力×時間×効率」で決まります。
このうち、能力や時間を2倍にする人は、誰にでもできることではないし、はっきりって努力ではどうにもならない部分もあります。でも、効率だけは、本人にする覚悟があれば、いくらでもあげることが可能なのです。

「終わり」の時間でタイムスケジュール

どんなに親しい人が相手でも、二次会にはいかない、と決めていました。なぜなら、私の場合、夜は八時間寝ないと翌日調子が出ないからです。短いに行っていたら、大切な八時間睡眠が確保できませんからね。仕事にせよ会食にせよ、「終わりの時間」を常に意識し、そこまでの時間を逆算してスケジュールを立てることがポイントです。人生のために必要な家族との時間、健康でいるために強な睡眠時間などはあらかじめ確保するのです。

活気がないのが「いいオフィス」

賑やかで活気あふれるオフィスと言うのは、でも仕事に集中していない状態なのです。それなのに、喧騒の中にいると言うだけで、なぜか自分たちは仕事をした気になってしまっている。こうした「悪い環境」で仕事をしていることも日本の会社から残業がなくならない大きな要因の一つです。

「人事を尽くし」切っているか

自分のキャパシティを知るのは、それほど難しいことではありません仕事にデッドラインをつけて、自分を追い込めばいいのです。明日は、これまで残業をしてのんびりやっていた仕事を、授業時間内に終わらせます。あるいは二時間かかっていた仕事を一時間でやる。最初は「とても無理」と感じるかもしれませんが、仕事のスピードは努力すれば必ず上がります。おそらく、自分にはこれだけ仕事を処理する能力があったんだ、ということを自覚するのに、そう時間はかからないはずです。

仕事と人生を同一視しない。

仕事を客観的に見て、会社にとって最良の結果を出せるのが本当のプロフェッショナル。ゲームに勝つためには、「ゲームにあまりのめり込まない」というのも重要なことです。競馬やパチンコがいい例です。のめり込んでしまったら最後、勝つことはできないでしょう。だからプロは決してのめりこみません。仕事だって同じです。のめり込んでいいことは何もありませんし、仕事一筋の人が仕事ができる、というわけでもないのです。仕事は人生そのものではなく、人生の一部です。私にとっての働く意味は「生きていくために必要なお金を稼ぐため」であって、それ以上ではありません。その上で、「どうせ働かなければならないなら、面白くやったほうがいい」と考えます。自己実現とか、人生そのものとか、夢とか仕事に余計な意味を持たせると、それが時として、仕事の足かせにもなりかねないのです。

私は、結婚したときに妻からこう言われました。「結婚するまでは、お互いの目を見つめ合ってきました。これからは、手と手を握り合って、同じ方向に顔向けて歩いていきましょう」今になって思えば、今のこの言葉は結婚の本質をいい当てていた、というのがよくわかります。「二人で同じ方向を見る」というのは、ただ一緒にいれば自然とそうなると言うものではありません。お互いがそうでありたいと思い、努力し続けることが必要なのです。
ところが、多くの場合には、結婚した途端に手を離し、別々の方向に歩いて行ってしまう。それで定年を迎えて時間ができたからといって、まだ歩み寄って同じ方向を見ようとしても、もうそこにできた距離を埋めることはできません。

残業ゼロで人生が決まる

人生の3分の1を占める「睡眠」が昼間の活動のために欠かせないように、仕事にも過大な意味を持たせず、生涯続くライフを支えるためのお金を稼ぐためとシンプルに考えるべきです。そしてどうせやらなければならないんだからゲームとして楽しんだほうがいい。その方法を考えていきましょう、と言うのがこの本でお伝えしたい私の考え方です。定年後の余生ではなくて本番の人生=「本生(ほんなま)」として充実させるためには、以前にいろいろ準備をしておかなければなりません。あなたの「本生」を充実させるために、明日からは少し早く帰ってみませんか。

この本は参考になるところもあれば正直そうでないところもありました。私の中では★3つぐらいのスコア。というわけでAmazonのリンクは張りません。読書家の方から直接お勧めいただく方とは比べ物になりませんが、いろんな本を読み内容を他の本と比較するのも楽しみの一つ。やはり読書家の方からオススメいただく本は最高だなと改めて思った次第。每日残業続きの方はこれを読む時間さえないかもしれませんが、読めば相当残業が減って生活が楽しくなるでしょう。

ほな!