サマータイム容認派のあなたへ お盆休み中に2時間前倒しの疑似サマータイムを体験してみては?

先日、突如として湧き出した「サマータイム導入論」。今年のような猛暑だとオリンピックの競技に多大な影響を及ぼすため、暑さ対策として2時間のサマータイムを導入を検討するとのことですが、全くの愚策。サマータイムは緯度の高いヨーロッパやロシア、アメリカなどで導入されていますが、緯度の低いアジアではどこの国も導入していません。

過去には日本でも1948年(昭和23年)に導入されましたが、4年で廃止なった経緯があります。廃止の理由は体調不良の人が増え、労働時間が長くなり、省エネなどのメリットよりデメリットの方がずっと大きかったため。サマータイムを導入しているヨーロッパやロシアでも夏時間の移行期に心筋梗塞などの健康被害が増加し、交通事故が10%以上増えるというデータがあります。

直近では13年前に北海道で出勤を1時間早めるサマータイムを705の企業、約3万人が参加しましたが、デメリットの方が多く元に戻りました。サマータイムを導入する上でのデメリットは健康被害も去ることながら、時間を変更するため様々なシステムや制度の改修などの膨大な費用がかかることにあります。まだコンピューターなどのデジタル機器がほとんど普及していなかった1948年と違い、電化製品をはじめ、多くのシステムがデジタル化・IT化された現代では変更するのは容易ではありません。

一説によると改修にかかるコストは2,000〜3,000億円とも言われています。2020年までは2年しかなく、ほとんどのシステム改修は時間的に間に合いません。特にCOBOLなどの古い言語で作れらたシステムは変更するためのプログラミングに時間がかかるため絶対に無理。

過去にこういった結論が出ているにも関わらず、自民党の東京五輪実施本部長は「世界の主要な国はみんなやっている。日本にできないことはない」という全くトンチンカンな発言をしています。

 
残念なことに、この愚策のサマータイムを容認する人たちが少なからずおられます。筆者が欠かさず観ているニュース番組「ワールドビジネスサテライト」のコメンテーターである学習院大学教授の伊藤元重氏は容認派。賢い人かと思っていましたが、少々残念。一方、解説キャスターの山川龍雄氏は否定派。両方同じ意見だとつまらないので、対立させているのかもしれませんが…。

筆者自身、17年前にフランスのパリに3ヶ月ほど住んでいたことがあり、そのときにたまたまサマータイムの切り替えに遭遇して痛い目にあったことがあります。サマータイムがあることは知っていたものの、当日すっかりそのことを忘れていました。その日は休日を取り、電車で隣国のベルギーへ行く予定で、事前に指定席の予約をしていました。余裕を持って出かけたにも関わらず、駅に着いたらなんとすでに予約した電車が出発していました…。そう、サマータイムで1時間時計が進んでおり間に合わず。同行した相手がフランス語がペラペラだったので、駅員に事情を説明して事なきを得ましたが、もし一人だったら、相当テンパっていたと思います。サマータイムに慣れない日本ではこういった事態頻発するのは間違いありません。

もし、あなたがサマータイム容認派であるなら、このお盆休みに疑似でいいので時計を2時間早めて生活してみてください。まずは家中のありとあらゆる時計を積んだ電子機器の時間設定をすることから始まります。掛け時計、腕時計はもちろん、スマホをはじめ、テレビ、レコーダー、エアコン、炊飯器、風呂など最低でも十数個、家電が多い家庭なら20個以上の設定を変えなくてはなりません。これだけでも相当な手間と時間がかかります。

そして、変更日の翌朝は時計が2時間進んでいるため6時に起きている人は4時に起きなければなりません。前日に2時間早めに眠れるかといえば、それはかなり難しいと思われます。おそらく単純に2時間睡眠時間が短くなり、意識が朦朧とした状態で一日がスタートすることになるでしょう。体内時計はそう簡単に時間変更ができません。慣れるまでにはおおよそ三週間以上かかります。やっと慣れて元通りの生活になったと思った頃にはサマータイムが終了します。

消費は約7,500億円上昇すると言われていますが、システム改修の費用が2,000〜3,000億円かかり、大きく景気を押し上げる効果はありません。それ以上に健康被害が大きいのがサマータイムの一番のデメリット。商業主義のオリンピックのために日本国民の健康が脅かされるのは許せません。サマータイム容認派方は過去の事例をしっかりと把握し、騙されないようにしてください。

そのほか参考になる記事まとめ

 

 

 

 

 
ほな!おおきに!